2022/05/13 レギュレーション

本年3月24日にICH Management Committeeに採択されStep 2となったQ14案⑴(以下Q14)概要に触れます。

ICH Q14(分析法の開発)案について

 本年3月24日にICH Management Committeeに採択されStep 2となったQ14案⑴(以下Q14)概要に触れます。Q14(ラポーター:檜山行雄氏)はQ2と連動しており、Q2の改訂も同時に検討されています。分析法の開発に関するICHガイドラインはなく、RTRT等のいわゆる革新的な技術に対して規制当局とのコミュニケーションが十分にとれないことや分析法について承認後の柔軟なアプローチがとれないという課題があり、また、Q2(R1)ではRTRTや多変量モデルをバリデートするには十分でないといった問題が挙げられています⑵。  Q14では分析法の開発はQ8における製剤開発同様、最小限の手法とより進んだQbD手法が適用できるとして、更に多変量解析及びRTRTに言及しています。既に発出されているQ12(ライフサイクルマネジメント)では分析法の変更マネジメントも対象となっており、Q14で分析法の管理戦略(analytical procedure control strategy)が示されれば、製法開発同様効率的な変更マネジメントが分析法でも可能となります。新たな取組みとしてプラットフォーム分析法が確立されれば、その方法は複数の製品に採用することが可能であり、サイエンスベース・リスクベースから正当化すれば重複してのバリデーションテスト(validation test)は不要と判断できるとしています。  分析法開発でのより進んだ手法(enhanced approach)は次の方法によりますが、製法開発と概念は類似しています。 * Analytical target profile(ATP:分析法目標プロファイル(仮訳))の定義。ATPの例はAnnex AのTable 1に示される。 * Analytical procedure parameter(分析法パラメータ(仮訳))の特定及びそれらの相互作用の評価と範囲の特定。分析法パラメータは、試薬の品質を含む全ての条件や分析法の操作ステップで、流速のように連続的に変動するものの他、管理可能な単一の条件等があると定義される。 * 分析法管理戦略の特定(これにはperformance criteria(性能基準(仮訳:測定結果の質を保証するために数値で規定される範囲・限度値又は求める状態を規定した許容基準)に裏付けられたセットポイント(設定値)や範囲が含まれる)。分析法管理戦略はその時点(current)での分析法から導かれる管理の一式で、分析法の性能と測定結果の質を保証するものと定義される。 * ライフサイクルの変更マネジメント計画(EC、PARやMODR(method operational design regions:分析操作設計領域(仮訳))といった明確な規定をその中に含む)。MODRは、分析法の性能基準が満たされ、測定結果の質が保証される分析法パラメータの範囲の組合せと定義される。⇒ 製法開発のデザインスペースの概念に相当し、MODR内の変更には法的手続きを要しない。

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2022/04/15 レギュレーション

【第5回】非無菌医薬品製造における微生物学的品質の考慮事項 産業界向けガイダンス

非無菌医薬品製造における微生物学的品質の考慮事項 産業界向けガイダンス【第5回】

事例3:緑膿菌およびブドウ球菌による保湿クリームの汚染 2017年、乳児湿疹用保湿クリームの製造元企業が、製品が緑膿菌と黄色ブドウ球菌に汚染されていたことを報告した。この製品は15,000個以上が全国に流通していた。微生物定量試験の結果、製品には防腐剤が配合されていたにもかかわらず、細菌数が87,500 CFU/gであることが判明した。微生物汚染の根本原因は、天然由来の原料が同社での不適切な保管により汚染され、最終製品に微生物が繁殖したことにあると思われた。   同様に、2015年、液体制酸剤の販売会社が、全国に流通していた10万個を超える製品が有害微生物に汚染されていたと判断した。製品には緑膿菌が混入しており、総真菌数の値も高かった。12カ月にわたる保存品の評価に基づき、回収の範囲が定められた。汚染の根本原因は委託製造工程の問題に関連するものと思われたが、最終的な原因は特定されなかった。  事例4:乳児用非水性クリームの過剰な汚染 2018年、米国の流通業者が、乳児のオムツかぶれ用の酸化亜鉛クリームを、OTC製品としての販売を意図して輸入したが、製品検査において、有害微生物による汚染が確認された。この製品は水性ではなく、固有の水分活性が低いにもかかわらず、細菌や真菌を過剰に含んでいた。検体の中には、好気性微生物数(TAMC)が350万CFU/mLや27,000CFU /mLといった非常に高い値のものもあった。検出された菌の多くは、バチルス属の芽胞菌であった。また、総真菌数(TYMC)も非常に高く、2700CFU /mL、39000CFU /mL、200CFU /mLが検出された。製造元は当該製品の全ロットを回収し、米国への出荷を中止した。  事例5:外用クリームのエンテロバクター属菌による汚染 2018年、外用クリーム剤の製造業者が、製品のうちの数ロットがエンテロバクター属菌に汚染されていることに気づいた。この製品は、微生物定量試験の完了前に誤って出荷されており、そのために、微生物数が測定不能多数(TNTC)となっていた。含量に加え、通常その製品にはない異常に強い臭気が認められた。回収が開始された後、製造業者には、製品の強い臭気に関して、顧客からの苦情が寄せられた。微生物汚染の潜在的な根本原因として、充填装置の切り替え時の洗浄が不適切であったことが疑われた。今後の製品の微生物汚染を防ぐため、予防保全や出荷検査の手順の見直し、従業員の再教育など、いくつかの是正措置がとられた。  事例6:アルコール消毒剤のセレウス菌による汚染 2011年、劣悪な製造条件で製造されたアルコール系消毒剤製品に、セレウス菌を含むバチルス属菌が混入していたことが判明し、この消毒剤に関連した有害事象が報告された。製造元を調査したところ、製剤、充填および保管時の汚染を防止するための適切な管理が行われていないことがわかった。また、設備の洗浄が不十分であることも確認された。これらの不備が今回の汚染につながったものと考えられる。製造元は、微生物汚染が確認された、およびその可能性があるとの理由で、アルコールプレップパッド、アルコール綿、およびアルコール綿棒の全ロットの全国的な自主回収を行った。 事例7: アスペルギルス属およびエンテロバクター属による原薬の汚染 2016年、ある原薬メーカーに対して、その原薬に様々なアスペルギルス種の菌によるTNTC/gレベルの真菌汚染があるという顧客の苦情が寄せられた。この原薬は、経口剤や注射剤の最終製品の製造のために、他の製造業者によって用いられるものである。この汚染の根本原因は、原薬の乾燥に使用された乾燥装置の部品に関連するものと思われた。是正措置として、原薬メーカーは、乾燥装置のダクトを更新して湿気が溜まらないようにするとともに、微生物汚染に対してより強固な管理ができるように、既存の予防保全やモニタリングの手順を見直した。この原薬メーカーは自主回収を開始し、1年間で数ロットの原薬が回収され、数社の最終製品メーカーがその影響を被った。汚染された製品に関連した傷害や病気の報告はなかった。 2014年には、別のメーカーによる回収が行われた。外用薬に配合されるバルククリーム基剤のメーカーで、バルククリームのカビや細菌の数、特にアスペルギルス属やペニシリウム属の値が高かった(他の微生物も含まれていたが)ため、数ロットを回収した。微生物が繁殖した根本原因は、製造上の指示が不十分であったため、担当者が防腐剤を対象の各ロット全体に均一に行き渡るのに必要な量よりも少なく添加したことであった。また、最終製品を製造する際に、クリームを最終容器に封入していたため、製品が冷却される際に水分が発生し、この水分によってカビが繁殖していた。影響を受けたロットの微生物定量試験では、すべてのロットにカビの繁殖が確認され、対応する微生物確認試験では影響を受けたロットの防腐剤の量が少ないことが確認された。今後の過ちを軽減するために、バルククリームメーカーは、バルククリームの各ロットに防腐剤が確実に均一に行き渡るようにするため、製造手順と工程を修正した。 事例8:賦形剤に起因する真菌汚染 2001年、ある製造業者が、グリブリド錠剤の45ロットを真菌汚染の理由で、回収した。この汚染源は、製剤に使用されていた充填剤/結合剤の賦形剤であることが判明した。その後のFDAの警告状では、同社が、真菌汚染の汚染源を特定し、同じ賦形剤を使用して製造した他のグリブリド錠のロットを特定するための適切な調査を行わなかったこと、および賦形剤の適切なサンプリングと試験を行わなかったことが指摘された。追加調査の結果、賦形剤製造工場で賦形剤を化学合成する際に、賦形剤の乾燥工程で使用する空気が季節性の真菌胞子で汚染されていたことが判明した。  事例9:シュードモナス属およびバークホルデリア属によるエレトリプタン臭化水素酸塩製剤の汚染 2019年、ある企業がエレトリプタン臭化水素酸塩製剤の2ロットを回収した。理由は、これらの製品ロットがシュードモナス属およびバークホルデリア属の存在可能性に関する微生物規格に不適合であったからである。一般の人々にとって、これらの微生物のリスクは低く、一時的な胃腸の不調はあるかもしれないが、重篤な感染症は伴わない。しかし、特定の脆弱な患者層(免疫系が低下している患者、嚢胞性線維症や慢性肉芽腫性疾患の患者など)にとっては、これらの菌による汚染は、生命を脅かす感染症を含む重篤な有害事象を引き起こす可能性がある。

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2022/04/08 レギュレーション

【第4回】非無菌医薬品製造における微生物学的品質の考慮事項 産業界向けガイダンス

非無菌医薬品製造における微生物学的品質の考慮事項 産業界向けガイダンス【第4回】

3.  微生物学的考察―特殊なケース このセクションでは、非無菌医薬品の処方および意図された用途のうち、患者集団に害を及ぼす有害微生物やバイオバーデンに関する相対的なリスクが本質的に大きい例(例:皮膚を切開する医療処置の前に皮膚に非無菌医薬品を投与する場合)について述べる。この事例は、製品の危険性を理解するためには、これらの製品のバイオバーデンをより厳密に特定し、評価することが重要であることを示している。適切な実験方法を用い、資格のあるスタッフが結果を確認して、製品が有害微生物に汚染されているかどうかを判断しなければならない。   これらの方法では、問題のある微生物を区別し、特定する必要がある。このようなロット品質情報は、消費者に危険をもたらす不都合な汚染製品の流通を防止し、品質問題を是正または防止するための原因調査を促進するために重要である。  a. セパシア菌群(Burkholderia cepacian Complex; BCC)および水性製剤 医薬品の水システムにBCC微生物が存在する可能性があるため、非無菌水性製剤にはBCC微生物汚染の可能性がある。バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)は、現在、少なくとも17の 遺伝子学的に近縁な種(genomovars)の複合体の一部と考えられている。  これらの微生物は、生命を脅かす重篤な感染症を引き起こす可能性を有する日和見病原体である。BCC微生物に固有の特性と安全上のリスクを考えると、非無菌水性製剤にBCC微生物が含まれないことが重要である。BCC菌株は、多種多様な基質をエネルギー源として利用する能力を有しており、その基質の多くは従来の防腐剤システムであることが明らかになっている。そのため、非無菌製剤に適切な防腐剤が含まれていても、BCC菌株はその製品の有効期間にわたって生存し、増殖することができる。最終製品出荷時の微生物計数検査で、総好気性微生物数が許容レベルであっても、その製品が患者に届くまでの間にBCCが安全でないレベルまで増殖する可能性がある。2016年5月、FDAは、米国疾病対策予防センター(CDC)より、9州13病院の患者にBCCに関連した重篤な疾患と死亡が発生したとの通知を受けた。これにより、BCC汚染による非無菌OTC液体便軟化剤の回収が行われた。2000年から2002年にかけて発生した医療機器(超音波診断用ゲル)に関わる一連の事例では、経直腸的前立腺生検においてゲルを使用した後、ゲルに混入していたBCCによる重篤な血液感染が発生した。  医薬品におけるBCC発生源として最も可能性が高いのは、製造工程で使用される製薬用水と天然由来の原料である。そのため、製品品質と患者の安全性を確保するためには、以下を含むCGMPの徹底した実施が不可欠である。  ・BCC汚染を防止するための作業の設計と管理に関するリスクマネジメントプログラムの確立 ・堅牢な水システムの使用  ・原料がバイオバーデンに関する適切な規格を満たしていることの確認 ・設備の適切な殺菌と洗浄、および ・BCC が存在するかどうかに関して、検証されたサンプリング手順を用いた工程モニタリングおよび最終製品検査を日常的に実施すること。  製造業者が、BCCを製品から排除するための検証された工程(例:バルク製剤の充填工程の直前で、滅菌フィルターを用いた微生物捕集濾過を行う)を行わない限り、非無菌水性製剤にBCCが存在しないことを証明するための一連の管理の最後の段階として、出荷試験が不可欠である。  USPには、2019年12月1日に正式となったBCCの公定試験法が掲載されている。章のタイトルは〈60〉MICROBIOLOGICAL EXAMINATION OF NONSTERILE PRODUCTS-TESTS FOR BURKHOLDERIA CEPACIA COMPLEX(非無菌製剤のセパシア菌群に関する微生物検査)である。FDAは、製造業者に対して、BCCの有無に関する検査において、USPのこの章に収載されたUSP法を使用することを推奨している。代替の社内試験法を開発することを選択した場合には、その試験法や手順は完全に検証されていなければならず、公定試験法と同等の結果が得られなければならない。さらに、代替法の開発を選択して申請を行う場合には、BCCは適応性が高く、様々な環境で生存・増殖する能力が変化するため、試験法が複雑になる可能性があることを認識しておく必要がある。BCCを検出し、正しく同定・分類することは困難な場合があり、回収方法の開発にはBCCを構成する菌種が示す多様な表現型を考慮することが不可欠である。 b.  術前の皮膚処置剤(局所消毒剤) 皮膚は通常微生物で覆われているため、医療処置や注射の前に皮膚上の微生物の数を減らすために、局所消毒のための医薬品である患者用の術前皮膚処置剤が用いられる。これらの製品の中には、無菌製品として製造されていないものもある。しかし、消毒剤に関連した微生物の汚染による感染症の発生が多数報告されている。注目すべきは、2009年から2013年の間に発生した非無菌製品の回収の大半が、汚染された消毒剤製品であったことである。アルコールやポビドンヨードを含んだプレップパッドの微生物汚染による製品回収は8件あった。  製品表示のみからも(手術を受けようとしている身体の表面への使用)、また、最近の感染症の発生状況や製品の回収状況からも、製品の無菌性が重要なリスク軽減策となっているか、または臨床結果に重要な影響を与えている可能性があることがわかる。2011年、FDAは最近の汚染事件を受けて、ニュースリリースを発表し、医療従事者に対して、アルコールプレップパッドのラベルを確認して、無菌か非無菌かを判断するように注意を促した。FDAは、厳格な無菌対策を必要とする手技には、無菌パッドのみを使用することを推奨している。  FDAは、患者の術前の消毒剤製品の製造業者に対し、開発中の製品および現在販売されている製品の両方について、これらの製品を無菌状態にする製造工程を検討することを奨励している。 FDAは、これらの製品の滅菌工程の開発に関する質問を歓迎し、術前の消毒剤製品の滅菌手段について、申請者や他の利害関係者と協力することを約束する。  

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2022/04/01 レギュレーション

最終回は、第9章「OUTSOURCED OPERATIONS」および第10章「COMPLAINTS」ならびに第11章「RECALLS AND RETURNS」の対訳を示す。

PIC/S GMP 改訂Annex 13の注釈付き対訳【第5回】

第5回のはじめに 今回は、第9章「OUTSOURCED OPERATIONS」および第10章「COMPLAINTS」ならびに第11章「RECALLS AND RETURNS」の対訳を示す。 なお、今回が最終回となります。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 9. OUTSOURCED OPERATIONS 9. 外部委託作業 Activities which are outsourced should be defined, agreed and controlled by written contracts between the contract giver and the party to whom the operations are outsourced in accordance with the principles detailed in Part I, Chapter 7 of the PIC/S GMP Guide. 外部委託という活動に対しては、PIC/S GMPガイドのパートI、第7章に詳述されている原則に従って、委託者と業務受託当事者との間の書面による契約によって規定、合意および管理しなければならない。 《注》あくまで、何か事が生じれば委託者の責任となることを留意しておかなければならない。逆に言えば、依頼した自分の責任リスクを低減・回避するためにも、受託者に必要と判断しうるすべての情報提供や支援をしなければいけない。 10. COMPLAINTS 10. 苦情 《注》複数形なので、苦情という漠然とした名詞的意味ではなく、「(複数の)苦情に対する処理」あたりの意味合いと想像する。 《注》基本的な流れについては、情報交換の社内外の相手が変わるだけで市販製品と同様と考える。 1.    There should be written procedures describing the actions to be taken upon receipt of a complaint at the manufacturing, storage or importation site. All complaints should be documented and assessed to establish if they represent a potential quality defect or other issue. The procedures should ensure that the sponsor is able to assess the complaints to determine if they justify the reporting of a serious breach to the relevant competent authority. 1. 製造、保管または輸入のサイトで苦情を受け取ったときに取るべき措置を記述している手順書を準備しておかなければならない。すべての苦情について、潜在的な品質の欠陥またはその他の問題を示しているかもしれないとして文書化し、評価しなければならない。手順は、治験依頼者が関連する管轄当局への重大な違反の報告を正当化しうるものかどうか判断するための苦情の評価ができるようにしておかなければならない。 2.    The investigation of quality defect should be performed in accordance with the principles detailed in Part I, Chapter 8 of the PIC/S GMP Guide. 2. 品質欠陥の調査は、PIC/S GMPガイドのパートI、第8章に詳述されている原則に従って実施しなければならない。 3.    The conclusions of the investigation should be discussed between the manufacturer and the sponsor, if different, in a timely manner. This should involve the Authorised Person and those responsible for the relevant clinical trial in order to asses any potential impact on the trial, product development and on subjects. 3. 調査の結論は、製造業者と治験依頼者とが異なる場合は、タイムリーに両者の間で話し合わなければならない。ここには、治験、製品開発および被験者への潜在的な影響を評価するために、AP(苦情責任者)および関連する臨床試験の責任者が関与しなければならない。  

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2022/04/01 レギュレーション

【第3回】非無菌医薬品製造における微生物学的品質の考慮事項 産業界向けガイダンス

非無菌医薬品製造における微生物学的品質の考慮事項 産業界向けガイダンス【第3回】

1.  製品固有の要素 o 剤形 ・液体製品は、一般的に他の種類の製品よりも微生物の増殖の可能性が高く、半固体製品は、一般的に固体製品よりも微生物の増殖の可能性が高い。   o 水分活性  ・非水性非無菌医薬品の水分活性は、微生物の増殖を抑制するため、十分に低いことが望ましい。 ・非無菌医薬品の水分活性が高い場合は、微生物の増殖の可能性が高いので、追加の製造管理が必要となる。   o 推奨用途 ・患者集団を考慮する―その薬剤に曝される可能性のある患者の範囲と、その薬剤を服用している最も脆弱な患者の疾病状態を考慮すること。 ・投与経路を考慮すること。 ・非無菌医薬品が投与される可能性のある身体部位(例:皮膚、気道、消化管、尿路)、およびその組織が傷ついていたり、病気になっていたりして、感染しやすくなっているかどうかを考慮すること。 ・製品が使用される環境(例:手術室、NICU)を考慮すること。  o 包装 ・容器/栓が、微生物汚染につながる予見可能な外的要因(例:水や微生物の侵入)から、内容物を適切に保護するものであることを確認すること。  ・非無菌医薬品の包装を選択する際には、複数回投与用との比較の上で、単回投与用の容器と栓の適切性を検討すること。ある種の剤形については、単回投与用の容器/栓が、最終製品への外因性微生物の侵入防止に関して、優れた安全性を提供する可能性がある。  o製品原料および構成 ・有効期間中の微生物の増殖を防止する効果が保証された適切な防腐剤の選択を考慮すること。 ・すべての原材料の入荷ロットが、許容可能な微生物学的品質を有することを含め、意図された用途に適していることを保証すること。 o 微生物検査―製品固有の考慮事項 ・原料、中間製品および最終製品について、適切な微生物基準値を設定すること。 ・サンプリング計画は、ロット内のばらつきを確実に検出できるものであること。 ・原料または最終製品に存在する可能性があり、患者または製品の安定性にリスクをもたらす可能性のある様々な微生物を検出するために、適切な感度のある方法を用いること。  ・加工助剤としての使用を含め、製品原料として使用される水に対して、適切な処置基準値を設け、適切な試験方法を実施すること。経口固形製剤には、100 CFU/ml以下の純水(USPの定義による)の使用が推奨される。他の剤形については、より厳しい微生物学的品質基準が適切な場合がある。  

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2022/03/25 レギュレーション

今回は第7章「QUALITY CONTROL」および第8章「RELEASE OF BATCHES」の対訳を示す。

PIC/S GMP 改訂Annex 13の注釈付き対訳【第4回】

第4回のはじめに 今回は第7章「QUALITY CONTROL」および第8章「RELEASE OF BATCHES」の対訳を示す。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 7. QUALITY CONTROL 7. 品質管理 1.    The manufacturer should establish and maintain a quality control system placed under the authority of a person who has the requisite qualifications and is independent of production. 1. 製造業者は、必要な資格(クオリフィケーション)を持ち、生産から独立している人の権限の下に置かれた品質管理システムを確立し、維持しなければならない。 《注》製造部門からの独立が強調されている。 2.    As processes may not be standardised or fully validated, testing takes on more importance in ensuring that each batch meets the approved specification at the time of testing. 2. プロセスは標準化されていないか、完全にバリデートされていない可能性があるため、試験検査では、各バッチが試験検査時に承認された規格を満たしていることを確認することがより重要になる。 3.    Quality control of the investigational medicinal product, including that of the comparator product, should be performed in accordance with the information submitted in the application for the clinical trial, as authorised by the relevant country. 3. 対照薬を含む治験薬の品質管理は、当該国の承認を得て、臨床試験申請書として提出された情報に従って実施しなければならない。 4.    Verification of the effectiveness of blinding should be performed and recorded. 4. 盲検化の有効性のベリフィケーションを実施し、記録しなければならない。 5.    Retention periods for samples of investigational medicinal products should comply with the relevant national laws or other requirements. 5.治験薬サンプルの保管期間は、関連する国内法またはその他の要件に準拠しなければならない。 6.    Samples are retained to fulfil two purposes: firstly, to provide a sample for future analytical testing, and secondly, to provide a specimen of the finished investigational medicinal product which may be used in the investigation of a product quality defect. 6. サンプルは、2つの目的を満たすために保管される。1つは、将来の分析試験検査用のサンプルを提供すること、もう1つは、製品の品質欠陥の調査に使用しうる最終治験薬の標本を提供することである。 7.    Samples may therefore fall into two categories: •    Reference sample: a sample of a batch of starting material, packaging material or finished product which is stored for the purpose of being analysed should the need arise. Where stability permits, reference samples from critical intermediate stages, e.g. those requiring analytical testing and release, or intermediates which are transported outside of the manufacturer's control, should be kept. •    Retention sample: a sample of a fully packaged unit from a batch of finished product. It is stored for identification purposes. For example, presentation, packaging, labelling, package leaflet, batch number, expiry date should the need arise during the shelf life of the batch concerned. 7. したがって、サンプルは2つのカテゴリに分類しうる。 •    参考品:必要に応じて分析する目的で保管される、出発原材料、包装材料または最終製品のバッチのサンプル。安定性が許す場合は、重要な中間段階からの参考品もありうる。例えば、分析試験検査とリリース(出荷)が必要なもの、または製造業者の管理外に輸送される中間体などは保管しておくべきである。 •    保存品:最終製品のバッチから完全にパッケージ化されたユニットのサンプル。同一確認のために保存される。例えば、関連するバッチの保管期間中に必要が生じた場合のプレゼンテーション、パッケージング、ラベリング、パッケージリーフレット、バッチ番号、有効期限など。 8.    There may be exceptional circumstances where this requirement can be met without retention of duplicate samples, e.g. where small amounts of a batch are packaged for different markets or in the production of very expensive medicinal products. 8. 重複するサンプルを保管せずにこの要件を満たすことができる例外的な状況が存在する。例えば、少量のバッチがさまざまな市場向けに、または非常に高価な医薬品の生産でパッケージ化されている場合などである。 9.    For retention samples it is acceptable to store information related to the final packaging as written, photographic or electronic records, if such records provide sufficient information, e.g. examples of packaging, labelling and any accompanying documentation to permit investigations associated with the use of the product. In case of electronic records, the system should comply with the requirements of Annex 11 of the PIC/S GMP Guide. 9. 保存品の場合、最終的なパッケージに関連する情報を、書面、写真または電子的な記録として保存することも容認される。例えば、製品の使用に関連する調査を可能にするためのパッケージング、ラベリングおよび付随する文書などである。電子記録の場合、システムはPIC/S GMPガイドのAnnex 11の要件に準拠していなければならない。 10.    Where reference samples and retention samples are presented identically, i.e. as fully packaged units, the samples may be regarded as interchangeable. 10. 参考品と保存品が同じように表示される場合、つまり、完全にパッケージ化されたユニットであるならば、サンプルは交換可能と見なされる。 11.    Samples are not expected of an investigational medicinal product which is an unblinded comparator in its original packaging and sourced from the authorised supply chain in the country in which the clinical trial is intended to occur or of a product which holds a marketing authorisation granted by the national competent authority of the country in which the clinical trial occurs. (Note: In the EU, it might be the European Commission that has granted the marketing authorisation.) 11. サンプル(参考品・保存品)は、元のパッケージの非盲検化された対照薬であり、臨床試験の実施が意図されている国の認可されたサプライチェーンから供給された治験薬の場合、あるいは臨床試験が行われる国の管轄当局により販売承認された製品の場合においては、(参考品・保存品の保管は)期待されない。(注:EU圏内では、販売承認を付与したのは欧州委員会となる) 《注》市販品をそのまま治験に使用するといった特殊な場合であり、あくまで例外的な状況と考える。 12.    The storage location of samples should be defined in a technical agreement between the sponsor and the manufacturer(s) and should allow timely access by the competent authorities. 12. サンプルの保管場所は、治験依頼者と製造業者の間の技術的合意書で規定され、管轄当局によるタイムリーなアクセスが可能でなければならない。 13.    Reference samples of finished product should be stored under defined storage conditions in the country in which the manufacturer is located or in another country where appropriate arrangements have been made between (or on behalf of) the two countries to ensure that the manufacturer of the investigational medicinal product applies standards of good manufacturing practice at least equivalent to those laid down by the PIC/S GMP Guide. In exceptional circumstances, the reference samples of the finished product may be stored by the manufacturer in another country, in which case this should be justified and documented in a technical agreement between the sponsor, the manufacturer and the storage site. 13. 最終製品の参考品は、製造業者が所在する国において、あるいは当該治験薬の製造業者がPIC/S GMPガイドによって定められたものと少なくとも同等のGMP基準を適用していると確認しうる2つの国の間で(またはその代理として)適切な取り決めが行われている別の国において、規定された保管条件下で保管しなければならない。例外的な状況では、最終製品の参考品が別の国の製造業者によって保管される場合がある。その場合、これは正当化され、治験依頼者、製造業者および保管場所の間の技術合意書に文書化されていなければならない。 14.    The reference sample should be of sufficient size to perform, on at least two occasions, all critical quality attribute tests as defined in the investigational medicinal product dossier authorised by the relevant country. Any exception to this should be justified to, and agreed with, the national competent authority. 14. 参考品は、少なくとも2回、関連国によって承認された治験薬文書(製品規格ファイルや治験薬製品標準書といったもの)で規定されているすべての重要な品質特性試テスト(要は品質試験検査)を実行するのに十分なサイズ(量)でなければならない。これに対する例外は、国の管轄当局に正当化され、同意されていなければならない。  

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