中国の原薬、添加剤、包装資材の関連審査制度

1 背景
2015年の中国医薬品規制改革以降、中国国家食品医薬品監督管理総局CFDA(2018年以降は、中国医薬品監督管理総局(NMPA, National Medical Product Administration)に改称)は、国務院の指示に基づき、医薬品および医療機器の法規体制の改革を進めていた。これには、登録申請の滞留解消、申請手続の迅速化、国際的な慣行の推進などが含まれている。中国医薬品規制当局は、一連の改革措置として、「審査プロセスの最適化」、「新薬分類の実施」、「革新の奨励」、「ICHへの加盟」、「製造販売承認保有者(MAH)制度の導入」などを行った。特に、原薬、添加剤、包装資材に関する審査制度の改革により医薬品規制改革の重要な一環として、DMF(Drug Master File)体制が導入された。製剤を登録する際には、関連してその製造に使用される原薬、添加剤及び包装資材が審査されることになった。

2015年以前は、中国の原薬、添加剤、包装資材の審査・承認システムは、製剤の審査と承認から分離され、原薬、添加剤、包装資材の品質のみに焦点を当てており、医薬品製剤の有効性、安全性、品質の面からの総合的な評価が欠けていた。

近年、NMPAは、原薬、添加剤、包装資材の審査プロセスを継続的・段階的に改善し、医薬品との関連審査及び承認のための完全な制度(即ち中国のDMFシステム)を確立した。この改革の過程において公布された主要な規制と規定の一部を以下の表1に示す。現在、中国のDMF登録は、2019 年 7 月に NMPA によって発表された「医薬品関連審査・承認と監督管理業務の更なる改善に関する公告 (2019年第56号)」に従って行われている。

表1 中国 DMF の主な規制と通知

2 適用範囲と分類説明
中国におけるDMF制度の適用範囲には、化学原薬、各類製剤に使用される添加剤、主な包装資材(医薬品製品と直接接触する包装容器を含む)の三つの類別がある。更に、これには、医薬品原薬(生物製品原薬を含む)の包装資材も含まれる。

なお、食品や医薬品に長期間使用され安全性が認められている医薬品添加剤については、DMF登録が不要な場合がある(第56号付録3を参照する)。NMPA はDMF登録のいらない物質リストを定期的に更新している。 原薬、添加剤及び包装資材の比較状況を以下の表2 に示す。

表2 原薬、添加剤、包装資材の比較

3 基本要件
1)     医薬品原薬、添加剤、包装資材の関連審査と承認は、それぞれの申請者/取得者によって登録プラットフォームに申請が提出される必要がある。製剤登録承認の申請者/取得者は、製剤の登録承認申請を提出する際に、使用する原薬、添加剤、包装資材を登録プラットフォームにある登録データと関連する必要がある。特定の理由によりプラットフォーム上での登録ができない場合、製剤の登録申請者は製剤の申請資料を提出する際に、原薬、添加剤、包装資材のすべての技術データを一緒に提供する必要がある。
 

2)     原薬、添加剤、包装資材の申請者/取得者は、プラットフォーム上の登録情報を更新し、登録資料の真実性と完全性に責任を負う。国内の原薬、添加剤、包装資材の申請者/取得者は、自社製品を登録する責任がある。海外で製造される原薬、添加剤、包装資材の申請者/取得者は、中国に常駐する代表機関または中国の代理機関を通じて登録する必要がある

3)     海外の申請者/取得者と代理機関は登録資料の真実性と完全性に責任を負う。製剤の申請者/取得者が製剤の登録申請を提出する際には、原薬、添加剤、包装資材の登録番号と、それぞれの申請者/取得者からの委託書 (LOA:Letter of Authorization)が必要となる。

4)     医薬品の品質に対して主な責任を負う製剤申請者/取得者は、医薬品登録及び市販後管理の要件に従い、原薬、添加剤、包装資材の製造業者の品質管理システムに対する監査を実施し、関連要件を完全に遵守させるようにしなければならない。

5)     規制当局は、原薬、添加剤、包装資材の申請者/取得者によって提出された技術資料、および登録プラットフォームにある技術情報の機密保持に責任を負う。プラットフォームでは、次の情報のみを開示することもできる:登録状況の表示、登録番号、登録製品名、会社名(承認された機関名)、製造所の住所、以前の医薬品製造承認番号(該当する場合)、原医薬品証明書の有効期間(該当する場合)、製品原産国、規格、更新日付などその他必要な情報。

 

 

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