医薬品の技術移転のポイントとトラブル事例
試験法や製法変更・サイトチェンジ、原薬銘柄追加などの注意点を解説
過去の事例も踏まえて、トラブルが発生しやすい技術移転のポイントとは?
講演者
株式会社ミノファーゲン製薬
顧問 脇坂 盛雄 氏
日程
2025年7月25日(金)10:30-16:30
受講形式
オンライン/オフライン
開催場所
みなとみらいグランドセントラルタワー6階 シーエムプラス本社 セミナールーム
開催概要
1社2名以上同時申込の場合,1名につき35,200円(税込)
●テキスト:開催3営業日前までにPDFデータ提供(印刷物の配布はございません)
※本セミナーの会場受講の方について
・PC、タブレット等、ご持参の上、テキストPDF閲覧にご利用いただけます。
・もしくは、必要に応じ印刷の上、ご持参ください。
●申込締切:2025年7月16日(水) 15時まで
●よくあるお問合せ一覧はここをクリック
■Web(Live配信)受講の場合:
●受講料(Webツール利用料含む):1名46,200円(税込)
1社2名以上同時申込の場合,1名につき35,200円円(税込)
※申込フォーム内、Web受講をご選択されるとテキスト送付先住所の記入を求められますが、
同上にチェックを入れてください。実際にはPDFデータ提供となります。
●Web(オンライン)セミナー申込要領を必ずご確認ください。
■セミナーポイント
自社製造にくらべ委託製造が増え、技術移転の機会が増えていることにより、技術移転はますます重要になってきている。製造が国内国外問わずどこであろうが、販売業者、販売会社がお客様に品質を保証している。販売会社はその期待に果たして応えているだろうか?残念ながら応えていないのが現状だと考える。健康被害のあった水虫薬でも販売会社の姿が見えてこない。それでよいのだろうか?ぜひ、製造所がどこであってもお客様の期待に応えてほしい。
委託先のトラブルはまさに製販の責任である。また、販売会社にとっても自社のブランドを低下させる。技術移転ができても、品質に問題が生じれば、それはきちんと技術移転できなかったことになる。品質保証を伴ってこそ技術移転ができた、ということが言える。トラブルは3H(初めて、変更、久しぶり)の時に起きやすいと言われ、まさに技術移転はトラブルの宝庫であり、それをいかに減らすかが重要になってくる。技術移転とは、新製品の設計部門から製造部門に移管することでもあり、製造所を変更することでもある。一般的に技術移転はできるだけ早く、コストを下げて行いたいとの考えがあり、一方ではミスを失くすために、慎重にあらゆるリスクを確認して行いたいという考えのせめぎ合いでもある。さらに、2005年の改正薬事法により、製造販売承認書に製造場所並びに詳細な製造方法を記載することになったことで、技術だけの問題ではなく、レギュレーション上の対応も必須になってきた。
本セミナーでは、過去の技術トランスファーの課題や失敗などから注意すべき点を紹介するとともに、レギュレーションの変更管理の事例についても紹介する。委受託に関する製販の期待と受託側の強み並びに原薬製造所のGMP不備による製剤の回収についても紹介する。
■習得可能な事項
・ICH-Q8製剤開発ガイドライン(通知)
・技術移転上の注意点の事例
・技術移転でのレギュレーション上、考慮すべき点
・製造所変更上の課題について
■セミナーキーワード
ICH-Q8、製剤開発、技術移転(トランスファー)、製造所変更、試験方法の移管
■セミナー項目
1.技術移転の抱える問題点
1)委託先の増加
2)グローバルな製剤の与える影響の大きさ
3)製造場所の自社以外の委託先との関係
4)原薬製造所の問題による、製剤の回収
5)レギュラトリーサイエンス エキスパート研修会 専門コース(第299回)
・先発メーカーからの製造委託、4つの類型分類と特徴
2.技術移転のタイプ
1)設計部門から製造部門への技術移管
2)製造場所の変更
3)導入品の技術評価
4)承継に伴う製造サイト変更
5)連続生産などの改善に伴うライン新設
3.ICH-Q8 製剤開発のガイドライン(通知)など
1)第1部 製剤開発に関するガイドライン
2)第2部 製剤開発に関するガイドライン 補遺
3)医薬品の最新の品質管理システムのあり方・手法に関する研究
・技術移転ガイドライン
4.GMP適合性調査
1)GMP適合性調査について
2)書面調査/実査について
3)GMP、QMS及びGCTPのガイドラインの国際整合化に関する研究成果(2023年9月1日)
4)大阪府の査察
5.サイト変更の技術移転時のGMP/レギュレーション(軽微・一変)対応のポイント
1)軽微変更・一変申請の視点
・軽微変更(過去2年以内に同一ラインでのGMP適合性調査あり)
・迅速一変
・一部変更申請
・軽微と一変の中間の変更事項のレギュレーション見直し検討
2)品質面の評価の視点
6.技術移転時の品質トラブル事例
1)新製品のPV失敗
2)製造販売承認書齟齬発見(カルナロウバロウ他)
3)海外の製造所移管時に製造販売承認書通りに造れない(イタリア)
4)添加剤の銘柄追加に伴う品質トラブル(プエルトリコ)
5)再結晶のスケールを10倍にしたところ結晶形が変わり品質に影響
6)導入品の品質評価とその技術対応(欠けと溶出試験対応)
7)凍結乾燥製剤の移管時の製造上のゴム栓トラブル(機械適性)
8)アルミピロー包装のバリデーション不備によるピンフォール(米国&英国)
9)発がん性物質NDMAによる回収と今後の動き(EUの方針)
10)ドーパミング薬混入による回収とその対応
11)新製品の錠剤の捺印不備
12)コールドフォームのピンフォール
13)FDAのWarning Letterから県から操業停止処分
14)環境モニタリングのデータ不正
15)福井県の製薬会社(健康被害発生)の問題点
16)富山県の製薬会社(約100品目以上製品回収)の問題点
17)徳島県の製造所の製品回収(齟齬など)
18)富山県の別の製造所の製品回収と改善命令
19)無通告査察による結果(1箇所承認書齟齬/46)
20)石川県の製造所の改善命令
21)富山県の製造所への行政処分
22)秋田県の製造所のGMP不正
23)原薬輸入における海外製造所の承認書齟齬
24)京都府の生薬製造所のGMP不正&承認書齟齬でのその生薬を使った製剤の回収
25)北海道の製造所の事例から学ぶ
26)埼玉県の製造所の事例から学ぶ
27)富山県の原薬製造所の事例から学ぶ
28)富山県の製剤製造所の事例から学ぶ
29)紅麹サプリの健康被害から学ぶ
7.事前に対応を行った事例
1)注射剤製造ラインで水だけを充填し評価する
2)注射剤の不良率削減に取り組む(イタリア)
3)導入前に品質の問題点の把握と改善後に導入
4)技術移転により、慢性的な苦情が低減した事例
5)注射剤移管時の無菌性/オーバーキルの課題
6)表示資材のラインでの全数保証
7)包装工程のフェールセーフ機構導入
8.レギュレーション上の課題
1)新製品開発時のレギュレーション対応不備(海外の製造所/保管場所)
2)製造所との契約不備に伴う販売延期(米国)
3)海外の原薬製造所変更に伴う、品質トラブル(中国)
4)導入品の実際の製造方法と製造販売承認書の齟齬
5)新規申請の前に外国製造所認定に必要な資料提供の契約
6)原薬の出発物質や中間体のレギュレーション対応不備による製品回収
9.スムーズな技術移転のための方法例
1)設計部門から製造部門へ
2)製造場所の変更に伴う技術移転
3)レギュレーションの立場から品質保証部門の関わり
10.技術移転時注意点
1)試験法の技術移転時における具体的な手順、規格設定、バリデーションなど
・新規試験法の場合
・公定書記載試験方法の場合
・試験方法の移管(公定書、新規試験など)
・サイトバリデーション不備による製品回収事例
・サイトバリデーション項目と統計処理例
2)技術移転時の判定基準
・判定基準の設定について
3)同等性評価の仕方
・4液性での評価
4)製法変更・サイトチェンジ時の品質評価
・PVの実施、
・加速試験の実施/長期安定性試験の実施
・コンカレントでの評価
5)自動化や初回生産時の確認
11.技術移転後の品質保証
1)自社に技術者がいない場合
2)品質トラブルを防ぐための委託先とのコミュニケーション
3)品質トラブルの共有化の仕組み構築
12.製販が委託先に期待すること
13.受託側の強みと信頼を得るために行うこと
14.人が創る品質/Quality Culture(FDA)
<質疑応答>
【脇坂 盛雄 氏】
■経歴
エーザイ株式会社入社後,品質企画部 統括部長,品質薬事部 統括部長,品質保証責任者など30数年に渡り従事し,2013年9月に退職,現在に至る。
■専門および得意な分野・研究
医薬品の品質管理/品質保証
■注意事項(予めご了承の上、お申込み下さい。)
【申込時】
●受講料はセミナー開催5営業日前の15時までにお振込み下さい。
●定員に達し次第、申込を締め切ります。
●最小開催人数3名に満たない場合、中止とさせて頂きます。
●講師及び当社のコンペティターの場合、受講をお断りする場合がございます。
【セミナー当日】
●名刺を以て受講券とします。お忘れなきようご持参ください。
●録音・録画(静止画・動画)行為は固くお断りします。
●講義中のパソコン・携帯電話等の使用をお断りします。