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2022/07/01 その他

滅菌工程の日常の管理と製品の出荷について。

いまさら人には聞けない!微生物のお話【第20回】

11. 滅菌工程の日常の管理と製品の出荷 ISO11135:2014では「日常監視及び管理の目的は、バリデートし、定められた滅菌プロセスがその製品に適用されていることを立証することである。」 としています。言い換えますと、通常の滅菌においては、バリデーションと同じ状況が再現できるようにプロセスをコントロールし、それを記録することが必要、ということになります。 これは滅菌工程パラメータ(温度、湿度、圧力、時間、減圧工程・加圧工程 など)に加え、バイオバーデン、環境微生物、製造管理などの状態もバリデーション時と同等であることを確認することを意味しています。もちろんいずれもある幅の中での変動はありますが、それぞれを継続的にモニターすることで、変動幅と傾向を的確に把握し、適合性を判定することが必要です。 注意点として、滅菌工程パラメータとしては通常規定しない要素の継続的なモニタリングがあります。たとえば減圧工程での規定圧力までの減圧に要する時間やEO滅菌におけるガスの投入に要する時間などです。これらをモニタリングすることで、真空ポンプの劣化やEO供給ラインのストレーナーの汚れに伴うトラブルを事前に回避することができます。 また日常点検として、ガスケットの汚れや亀裂のチェック、温度センサーのキンクや断線の確認なども重要なポイントです。これらは滅菌時の作業前点検として実施/記録するとよいでしょう。 製品の出荷判定については、自社の手順書に基づいて実施することになります。ISO17665-1には、次の要求事項が記載されています。 11.1 滅菌からの製品のリリース 記録のレビュー及び滅菌プロセスからの製品リリースの手順をあらかじめ定めなければならない。この手順には,滅菌プロセスが適合したと判定するための要求事項(9.5.2 及び該当する場合10.3 参照)を含めなければならない。要求事項に合致しない場合は、製品は不適合とし、4.4(不適合品の管理)によって取り扱わなければならない。 ここに要求されている通り、出荷判定については自社のQMS文書の中で規定しなければなりません。出荷判定に責任を持つ人は、その手順書に従って滅菌工程ならびに環境微生物などの関連の結果をレビューし、すべての結果が出荷基準を満たすと判断された場合、出荷可と判定します。 

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2022/07/01 その他

ステイホーム生活も少しずつ緩くなって、外出する機会も増えてきた。

業界雑感 【2022年6月】

 ステイホーム生活も少しずつ緩くなって、外出する機会も増えてきた。サラリーマン時代からの習性だろうか、家を出る時に鞄以外に身に着けていくものとして、家の鍵・腕時計・財布・ハンカチ・定期入れ(定期券は持った記憶がないが自動改札を通る際は出しやすいよう胸ポケットに交通系のプリペイドカードが入っている)・スマホ、それに小銭入れがある。実はこの小銭入れ、20年近く使い込んでいたものが古くなり穴が開いて小銭が洩れて用をなさなくなったので、同型のものを2代目として購入してからさらに20年近くになるという年季ものである。  この小銭入れが時々行方不明になる。ズボンのポケットから鞄に入れなおしたまま忘れていることもある。ただ最近は外出先でも小銭入れがないからといって困ったことがない。スマアプリの〇〇Payか交通系のプリペイドカードでたいがいは通用するし、大きな買い物はクレジットカードなので小銭が必要な場面がないのだ。ところが考えてみれば常時携帯するものに新たにカード入れが加わっている。メインのクレジットカードは財布の中だが、その他のクレジットカードやプリペイドカード、会員証は増える一方でいつしか財布からはみ出しカード専用のケースが出来上がっている。それらのカードの一部はスマホアプリと連携しておりカード携帯が不要のものもあるらしいのだが、スマホのなにをどうしてよいのかもあまり理解できていないので、結局大量のカードが入ったカードケースを持ち歩くことになる。積極的に「ポイ活」とやらをしているわけでもないのだが、支払いの際に「〇〇カードはお持ちですか?」と聞かれると、持っているのに出さないのも損をしたような気分になって、ゴソゴソとカード入れの中を探していたりするのだ。

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2022/06/24 その他

美術館散歩の行先はお気軽モードで。

理系人材のための美術館のススメ【第2回】

第2回「美術館散歩の行先はお気軽モードで」  美術館にあまり足を運ばない方向け、「理系業界に美術館のご利用をプッシュしてみよう」という本コラム、2回目は「ではどこに散歩に向かおうか?」という話です。  一応、本稿において美術館はあくまで「お散歩」先です。気軽にふわっと脳内リセットをしようというのに、どこに行くかを一生懸命考えたり、探したり、行こうと思ったタイミングのチケットが取れなくてじたばたしたり…というのは、本末転倒。行きたいときにぶらっと行くのが散歩であって、日時やタイミングに合わせて行ったら、それは「おでかけ」ですからね。  趣旨は「いつもの業務と頭切り替えてまったりリフレッシュ」、そんな緩さで引き続きお願いいたします。 【「○○さん展」は散歩向きではない】  さて、そうは言っても一般に「美術館に行く」と言ったときに候補によく上がってくるのは、画家個人にスポットをあてた「○○さん展」でしょう。ここしばらくでも、ゴッホ展、ミロ展、ミケル・バルセロ展、ピカソもやっています。邦人だと篠田桃紅展とか北斎、そうそう、鏑木清方展をやってました。置きチラシがあるのもこういった「企画展」が主なので、広告を見る機会は多いのですが、やっぱりこれ、求めている散歩向きではないと思われます。  TVでも雑誌でもWebでも、常設展を薦めてくる媒体というのはとても少なく、やはり「今の時期限定」となる企画展こそ美術館の花形であるのは間違いありません。美術館にすればお金かけて企画したものなのですから、当然人にいっぱい来ていただいて、おみやげに限定グッズを買ってもらいたいわけですよ。筆者も年がら年中行きますが、ただどうしても、緩くまったりとはいきにくい。  力の入った解説は多く、ついでに人出も多く、バリエーションは少なく、チケットが高いわりに展示点数が少ない可能性があるのが企画展です。コロナ禍前なんて行列四時間待ちとかありました(パスしたけど)。せめても目当ての一品があるならそんな我慢だって問題ないといえますが(いやあるけど)、それもう散歩じゃなくてデートですよね?  そう、個人をテーマに取り上げた企画展の密度は、デートかお見合いのレベルです。デートなら我慢できることも、「ちょっと友だちになってもいいかなー」…くらいの興味しかもっていない場合は、けっこうキツい。だって考えてもみてください、いきなりその人の生い立ちから始まって、人生の岐路だの苦境だの成功だの晩年だの遺作だのとがんがん向こうから語りかけてくるんですよ、重たくないですか?(重い)。「まだそこまであんたのことを知りたいわけではない」と言うに言えずに挙げ句死に様までお付き合いするなんて、普通難しいと思います。  もっとも、逆に意外な一面を知って「なんか思ってたよりアイツずっといい奴だった!」という展開が期待できるのもこの「○○さん展」。誰もが必ず見たことがあるピート・モンドリアンさんのモンドリアン展なんて(名前でググってみましょう絶対見たことあるから)、どうやって展示するんだと疑問に思いつつ行ってみたらものすごい楽しかったです。慣れて余裕が出てきたら、デートも全然いいと思います。  ただ、頭を使いたくない時や気分転換したい時、そしてけしてその○○さん目当てでないのなら、やっぱり散歩ではたくさんの画と大した会話もせずにぶらぶらしたいものです。そんなわけで初期の散歩のお薦めは、「揃えのいい美術館の常設展」にハズレなし、ということになります。  

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2022/06/17 その他

今回も引き続き、医薬品リスク管理計画について解説する。

基礎からのGVP【第17回】

医薬品リスク管理計画(II) 3.安全性監視活動計画の作成 承認時までに収集・確認できなかった情報等を製造販売後に日常の診療における使用実態下の情報として、追加収集・再確認する必要性はこれまでに示したとおりである。製造販売後に収集・確認しなければならない情報を明確に示し、これらの情報を如何にして的確に収集するかの調査・試験等の実施の全体像を取りまとめたものが、追加の安全性監視活動計画である。 欧米においてもリスクマネージメントプラン、ファーマコビジランスプラン等として検討・実施されてきており、また、ICHE2Eとして公表され、その実施方法が検討されている調査・試験等を生かすことにより、安全性監視活動の充実が図られるものと期待され、実際、グローバルな視点で概ね統一的な活動がなされている。 (1)通常の安全性監視活動 全ての医薬品で、GVPに準拠して日常的に行われる安全管理情報の収集としての、安全性監視活動を通常の安全性監視活動という。 (2)追加の安全性監視活動 安全性検討事項を踏まえて、追加の医薬品安全性監視活動の必要性、その理由、手法等について検討し、その実施体制も含めて簡潔に策定する。また、追加の措置の手法を検討する際には、どのような結果を得て、それをどのように活用するかを考えて、手法を選択する必要がある。なお、安全性監視の手法については、ICH E2Eガイドラインの別添として示されている種々の手法や、医療情報データベースを活用した薬剤疫学的手法も含め、以下の点を考慮する必要がある。 1)市販直後調査* 新医薬品においては、販売開始直後において、稀で重篤な副作用が見出されることがあるので、医療機関に対し確実な情報提供、注意喚起等を行い、適正使用に関する理解を促すとともに、重篤な副作用等の情報を迅速に収集し、必要な安全対策を実施し、副作用等の被害を最小限にすることが重要である。このため、新医薬品は承認条件として、また、その他の医薬品については必要に応じ、追加の医薬品安全性監視活動として、市販直後調査の実施が求められる。 *市販直後調査について 販売開始から6か月間は、医療関係者に定期的に、且つ、初めの2ヵ月間は2週間に1回程度、その後は1ヵ月に1回と高頻度で、適正使用に必要な情報を製品の使用に際し、事前に提供することにより、副作用の発生や重篤化を予防するとともに、発現した副作用に関する情報を早期に収拾すること、そしてその安全対策を直ちに措置することにより、日常診療における使用開始時の安全監視を強化する活動である。 [https://fs.one-cmp.com/GMP_art_kusama_20220615_1_1f9a95d774.jpg]

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2022/06/17 その他

滅菌バリデーションの各ステップについて。

いまさら人には聞けない!微生物のお話【第19回】

10. 滅菌バリデーションの各ステップについて 10.1 据付時適格性確認(Installation Qualification:IQ) IQは、IQは、ISO11135などで規定されている滅菌工程バリデーションの最初のステップです。薬食監麻発0215第13号 「滅菌バリデーション基準」では、IQについて次の説明があります。 * 装置及び附属設備が予定したとおり据え付けられたことを確認し、文書化すること。 * 装置及び附属設備に関する文書(図面、取扱説明書、据付記録等)を確認し、保管すること。 また平成23年厚生労働科学研究「最終滅菌法による無菌医薬品の製造に関する指針」には、以下の記載があります。 * 仕様通りの装置が、あらかじめ定められた位置に、適切な状態で据え付けられていることを装置メーカーの検査要領書/報告書、据付要領書/報告書や製作仕様に照らして検証すること。 IQはハードウエアとしての滅菌装置が正しく据え付けられたことを確認するステップです。従って滅菌装置の新規導入時には、必ず実施しなければなりませんが、滅菌装置の導入後、ハードウエアに関して何も変更がなければ、IQを繰り返し行う必要はありません。しかし周辺装置を含む滅菌装置の修理、交換、保守作業などを行った場合は、それら正しく行われたことは検証しなければなりません。 滅菌方法により装置の仕様が異なりますので、確認すべき項目は変わります。確認すべき詳細要件に関しては、それぞれのISO規格(エチレンオキサイド:ISO11135、湿熱:ISO17665-1、放射線:ISO11137-1)に記載されていますので、それらを参照してください。 一般的なIQのチェック項目の例として、下表が参考になると思います。 [https://fs.one-cmp.com/GMP_art_furuya_20220615_1_3fb29808f9.jpg] 佐々木次雄編 「ヘルスケア製品の滅菌及び滅菌保証」(日本規格協会)より引用

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2022/06/17 その他

核酸医薬を製造委託する場合のCDMO選びのポイントについてお話をします。

スタートアップバイオベンチャー経営(栄一の独り言)【第6回】

今回は、「核酸医薬の創薬・開発を目指すスタートアップベンチャー企業へ」と題してその事業化へ向けて核酸医薬を製造委託する場合のCDMO選びのポイントについてお話をします。 <前回のあらすじ> 核酸医薬は、高い標的特異性と遺伝情報に基づいた創薬設計アプローチが易しいことから需要拡大が期待されています。RNA修飾技術の進歩で生体内の安定性が高まり、また、核酸デリバリー技術の進展によりその実用化が進んできました。2030年には約2.5兆円を超す市場規模に拡大するという予測もあります。 <今回のお話し:バイオベンチャーが核酸医薬を製造委託する場合のCDMO選びの8つのポイント> まずは、核酸医薬を合成する基本知識の整理から始めます。 ・核酸医薬の合成法には、主に、「固相合成法」と「液相合成法」の2種類があります。 1. 固相合成法:分子をビーズ上に連結させ、反応試薬の溶液中に入れることで、合成反応を段階的に行う方法)では、アミダイト(原体、核酸医薬に用いられるオリゴヌクレオチド(核酸オリゴマー)を製造する際の出発原料)を吸着させた特殊な樹脂を出発原料とし、アミダイトを鎖状に結合させDNAやRNAを製造します。この核酸合成サイクルは繰り返し行われます。合成サイクルの繰り返しに伴い、塩基の欠失などの不純物が増幅されるリスクを伴います。 更に、製品と同等の性質を持つ不純物が含まれる可能性がり、精製工程で除去が難しくなる場合があることも核酸医薬品製造の特徴に挙げられます。また、原料であるアミダイトの不純物の中には品質に影響するものがあるため、出発原料の不純物管理も重要です。 2. 液相合成法:固相合成法における高分子ビーズにかえて、有機溶媒によく溶ける保護基(Anchor)を用います。Anchorを用いることで、オリゴ鎖(オリゴ核酸、ペプチド) が延びても均一溶液として存在するので、合成の高効率化に優れているだけでなく、Anchorの性質を利用した単離・精製を可能にし、製品の高純度化に優れています。液相合成法は、固相合成法で必要な特殊な設備が不要で大量生産に適しています。

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