≪解説≫2025年 改正薬機法【第1回】

2025/06/20 国内外規制関連動向

概要

品質保証・安定供給・創薬環境の変革に対して企業として備えるべきこと


【第1回】概要

2025年(令和7年)5月21日、我が国の医薬品行政の根幹をなす「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第37号)が公布されました。

この改正は、薬機法の附則に定められた5年後見直しを契機としつつも、近年深刻化した後発医薬品の供給不安問題、相次ぐ製造・品質管理を巡る不正事案、そして新規モダリティの台頭といった創薬環境の変化という、避けては通れない課題への包括的な対応を迫られた結果が反映された内容となっています。

本改正は、医薬品等の品質確保、安定供給、創薬環境、薬局機能、販売制度など、広範な領域に及びます。

これは、製薬企業、医療機器メーカー、再生医療等製品事業者、卸売販売業者、そして医療機関・薬局といった全てのステークホルダーの事業運営に重大な影響を与える、まさに大きな変革と言っても良いかと思います。

本稿では、今回の法改正に至るまでの複雑な議論の経緯を紐解き、公布された改正法の主要なポイントを解説します。

そして、この変革期において企業、特に品質保証や製造管理に携わる担当者が何を理解し、いかに備えるべきか、さらにはAIやDXといった新たな技術をどう活用していくべきかについて、ご紹介いたします。

■連載予定
【第1回】概要
【第2回】令和7年改正薬機法の背景 ― なぜ、今この改正が必要だったのか(その1)
【第3回】令和7年改正薬機法の背景 ― なぜ、今この改正が必要だったのか(その2)
【第4回】令和7年改正薬機法の背景 ― なぜ、今この改正が必要だったのか(その3)
【第5回】令和7年改正薬機法の背景 ― なぜ、今この改正が必要だったのか(その4)
【第6回】改正薬機法の主要なポイントと実務への影響(その1)
【第7回】改正薬機法の主要なポイントと実務への影響(その2)
【第8回】改正薬機法の主要なポイントと実務への影響(その3)
【第9回(最終回)】AI・DX化を活用した次世代GMPへの進化

なお、本内容に関する講演依頼がありましたら、Webフォーム(https://www.gmp-platform.com/contact.html)より問い合わせください。
 

執筆者について

田中 良一

経歴

株式会社シーエムプラス シニアコンサルタント。
2006年 京都府へ入庁。2009年より健康福祉部薬務課にて医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品、体外診断用医薬品製造業・製造販売業許認可やGQP/GVP/GMP/QMS調査を担当。日本当局のPIC/S加盟によるQMSの立ち上げに携わる。2018年に厚生労働省へ入庁、医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課 GMP指導官に就任、GMP/QMS関連の法・省令改正に従事。2020年に京都府へ帰庁、京都府薬事支援センターを立ち上げる。2024年7月にシーエムプラス入社。
業界活動としては、PDA製薬学会関西勉強会、製剤機械技術学会GMP委員会・DI委員会、過去には医機連QMS委員会、厚生労働科学研究に参画。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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