【2025年8月】医薬品品質保証こぼれ話 ~旅のエピソードに寄せて~
執筆者の連載をまとめた書籍を発刊「医薬品品質保証のこぼれ話」
第18話:刺激を受けることの大切さ!
7月上旬(2025年)、人生で初めてオペラというものを観る機会を得ました。オペラというと、通常のクラシックコンサートと異なり、どこか敷居が高く、また、これまでさほど興味もなかったことから、音楽仲間からの誘いも断っていました。しかし、今回は姪がバイオリンのソロを弾くことや、演題が間奏曲で有名な「カヴァレリア・ルスティカーナ」であることもあり、少し心が動きました。加えて、会場となるホールが、関西フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者・藤岡幸夫さんが“エンター・ザ・ミュージック”で音響の良さなどを絶賛していた東大阪市文化創造館であったことも、重い腰を上げることを後押ししたようです。
結論から言うと、この猛暑のなか足を運んでよかったと思っています。プロとアマチュアの声楽家の情緒豊かな歌声と素晴らしい演技、ピアノとバイオリンの一寸違わぬアンサンブルの響き、ストーリーの面白さ。見入り聴き入るうちに、時間はあっという間に過ぎました。とても感動し、大いに刺激を受け、ホールを出るときの足取りも軽く感じました。今回の公演は、このオペラ合唱団の“旗揚げ公演”であることから、演出家や出演者の本公演にかける情熱と努力は相当なものだったと推察します。大きな感動と刺激を受けたということは、その皆さんの熱い気持ちが鑑賞する側の私にしっかり伝わったということでしょう。ちなみに、このオペラ合唱団の名称はイタリア語で「Coro della Via Lattea」(Coro=合唱, Via Lattea=天の川)、日本語にすると“天の川合唱団”となるのでしょうか。
さて、今回、オペラを鑑賞して感動しよい刺激を受けて、改めて、日々の単調な生活の中において、時おりこのような“刺激を受ける”ことが大切であるということを思いました。つまり、いろいろな場に身を置き、様々なものに接して刺激を受けることにより、視野が広がり、また、物ごとへの考え方に幅ができ、ひいては充実した人生につながっていく。そう考えると、例えば、この猛暑に際し、NHKなどが“不要不急の外出を避ける”よう呼び掛けていることは、人の健全な行動を抑制しかねない消極的なメッセージのようにも思えてきます。
この種のメッセージは親切心から出てくるものですが、居住地の気象環境や当人の健康状態などを踏まえ、本来、自身で判断すべきものと思われます。メディアの立場で発信するとすれば、“外出に際しては熱中症などに配慮した対策を・・”、といったところで留めるのがよいのではないでしょうか。今の日本は、大人を含む“引きこもり”が増え続ける、言わば、“病的な社会”であり、上記のようなメッセージはこの状況に拍車をかけかねません。コロナ禍であればともかく、気温が高いぐらいでは可能な限り外出を控えず、暑さ対策に工夫を凝らして、積極的に外に出ていろいろなことを見聞きし、また、人と接して、様々な刺激を受ける。これこそが、人生100年時代における”病的社会の解消“の第一歩になるはずです。
前置きが長く、少し脱線してしまいました。Back to the story!
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