医薬品のモノづくりの歩み【第40回】

バランススコアカードとKPIマネジメント(2)
執筆者関連書籍「医薬品製造におけるモノづくりの原点と工場管理の実践」
BSCとKPIマネジメント(2)
BSCが経営マネジメントツールとして何故、実践の場で定着しないのかについて考えてみます。
それは、筆者自身の経験も振り返ると、毎年、BSCに基づいて戦略目標を設計していくと、次第にBSCをいわゆる“箱モノ”と捉えて、システム系のツールと同様に現場に任せて導入してしまえば、ある程度のことは進むだろうという安易な考えになりがちになります。また、戦略マップを作成した後は、部門ごとのBSCに落とし込んでいくことが重要ですが、会社全体のBSCはこうなっているから後は各部門で考えておくように、といった落とし込み方で、トップダウンからいきなりボトムアップ的な展開に変わってしまうこともあります。戦略マップは一応作成していますが、BSCの4つの視点のCSFとKPIのそれぞれ因果関係の構成とストーリー性が大切であるところ、その検討が不十分で単なるKPIの集合になってしまうこともあります。つまり、当時、自身のBSCに対する理解が不足していて、ストーリー性が乏しく、PDCAサイクルがしっかり回っていないことが考えられました。一般的に欧米から導入されたマネジメント手法は日本企業の経営に対する考え方にフィットしないと定着が難しいと言われますが、ここで、ベーリンガーインゲルハイム日本法人の導入事例を紹介しましょう。
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