GMP製造現場ワンポイントアドバイス【02】

GMPは、お金がかかる。当然です
■本稿の読み方
筆者が医薬品製造・品質の現場で経験してきたことをベースに、現場で頑張る皆さんのお役に立ちそうなポイントをまとめていきます。一部事例も含めますが、創作も含めて一般化しています。あくまで一例としてとらえ、自社運用に照らし合わせて考えるきっかけとなると嬉しいです。
おおよそ月に1回のペースで掲載していきますので、ぜひ、隣の席の方、グループ、チームメンバーで読み合わせ、継続的改善に繋がるディスカッションのネタとしてご利用ください。
安定供給に責任制度。特別に制度することに違和感を感じます。本来、会社の社会に対する基本姿勢のはずである供給です。「やりなさい」から「やっていこう」にシフトチェンジし、クオリティーカルチャーの醸成を自主的に進めるしか解決できません。
秤など装置の不具合設置例
計量法で秤は固い水平の取れた台を設置することを薦めています。不具合例です。装置の下の掃除を考え、粘着シートを下に敷いていた。地震対策で試験装置をベルトやステー固定するのは、問題ないのですが下にクッション素材を使って不安定でした。少し、装置のことを理解されていたらこんな設置しません。
GMPは、お金がかかる。当然です。
よく経営層がGMPをコストと思い、削減の圧力をする会社を見かけます。防虫管理の内製化でトラップの捕獲数を自社でやったり、クリーンスーツを自前で洗濯したり「保証されていない」という考えがないと悪い印象がお客様の信用をさげると思わないのでしょうね。クオリティーカルチャー無いですね。GEの共同体からはじかれるでしょう。
チャンピョンサンプルで出禁10年
ある会社での話です。某大学出身の責任技術者がお客様のサンプル用チューブ充填の仕事で、チューブの機械との相性が悪いのにチャンピョンサンプルを送ってしまった。当然、立ち合い生産はバルクが飛び散る無残な結果です。
お客様お怒りで「出禁10年」と言って帰りました。その後、他の仕事でも相変わらずなので「クビ」になりました。頭が良くても、高卒の現場担当の意見を聞かず百の上の馬鹿ですね。仕事は、みんなでやっているのです。
※教訓「実るほど頭が下がる稲穂かな」
液晶表示の温度計
ハイブリットレコーダが高額なため、市販の温湿度計で保温室の温度分布を数台で測定した。40℃超える場所で液晶が非表示でした。低温も弊害あるでしょう。
時計の校正、今昔
最初は、品質管理でのタイマー(試験担当常備品)を指摘されたと思います。対応は、電話で時報を聞いてすべてのタイマーを一定期間で校正しました。(校正シール)そのあと、製造設備の制御表示にある時間表示や製造室の壁時計を製造に使っているなら校正。と指導されました。電波時計は気密性の高い場所に不向きです。安価ですが、スマホ連動するブルーツルース機能付壁時計などがあります。製造連絡用スマホを有効活用する方法です。
大寒波が教えてくれたこと
温暖で余程のことがない限り降雪ない地域でも、例外の年もあり大寒波の被害を受けます。そこで経験したことです。真鍮製のバルブは、割れました。風通しの良い場所の配管も破裂しました。保温材を増設し、保温材なしのフジパイプ(パルプ圧縮製)への変更など改善しました。
オールSUS316製?
簡易なホース充填機の受け入れでの話です。納入された部品をバケツに水を入れて一晩沈めました。オールSUS316なら錆びません。
結果 ①ホッパーは内部に白いツブ状の汚れ
②スタンドの溶接部 真っ赤に錆び
※当然ながら、返品しました。
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