GMP製造現場ワンポイントアドバイス【05】

清掃記録・ラインクリアランス

■本稿の読み方
筆者が医薬品製造・品質の現場で経験してきたことをベースに、現場で頑張る皆さんのお役に立ちそうなポイントをまとめていきます。一部事例も含めますが、創作も含めて一般化しています。あくまで一例としてとらえ、自社運用に照らし合わせて考えるきっかけとなると嬉しいです。
おおよそ月に1回のペースで掲載していきますので、ぜひ、隣の席の方、グループ、チームメンバーで読み合わせ、継続的改善に繋がるディスカッションのネタとしてご利用ください。


 定着しない雇用が多くなり、製造現場の技術継承は教えた頃にやめられたりすると教える側の負担や情熱も陰ります。重要工程くらいは正社員が望ましい。工業学校がいいですよ。

ほんとに寒かった

 合成工場の外作業は、四季を身で感じる厳しい仕事です。最近は、壁で覆っているので製剤工場に近い環境です。昔は、青天井で夏は極暑。冬は寒いより、足先・指先は痛いくらいです。反応釜の内部を確認するとき、釜に抱き着くと反応熱を感じました。この若い頃の経験がAPI監査をするとき、私の強みです。

Warming-up

 製造機械や試験設備もスイッチONで30分位、機器を温めます。人もちゃんと温めないと「腰痛など」になります。自分の体を大切に。
※お勧め例;ラジオ体操、腰痛体操

こころを添える

我々の医薬品は、暖かいこころを添えて工場から旅立ちしているだろうか?この暖かいこころが、いろんな商品やサービスにカタチを変えて人を暖かくします。クオリティーカルチャーは、暖かいこころの源です。

廃水工程は、実績ある業者に

 ある工場の廃水工程についてお話しします。元々、実績ある業者とお付き合いしてました。しかし、安く工場を作りたいと言う理由で、あまり専門性の低い業者に依頼して、失敗した例を2社紹介します。1社目は、業者も拒んだのに無理にオーダーして作業員が帰れなくなった。警報が止まらない設備が緊急停止しまくる。2社目は、ある有名業者の図面を地方の業者に流してコピー設備を作ったが、油分離が最初から使えず、曝気槽にバルクが溜まり大失敗。

井水使用量減量で泥流れ込む

 広い工場での話です。構内に複数本の井水ポンプを有し大量使用する工場が複数ありました。その内の一つの工場が製造中止した。そのために地中で原水の流れが変わった原因で泥が流れ込む障害が起こった。そのため、逆洗浄を頻繁実施することになりました。井水設備は、地中を考えることも必要です。

工場建設で電波障害

 4階工場建設での話です。周辺の民家でTVが移らない苦情が発生しました。対応策として、有料TV契約を一定期間することになりました。ご近所さんは大切です。予想できないことは素直に対応すれば、知智(ちえ)になります。

テープ湿布剤製造

 テープ湿布剤は、膏体を125℃で透明テープに塗膏してニットに挟み込む。ニットに浸透のために一昼夜養生します。その後、打ち抜きとアルミ袋へ入れて製品化する。ここで大変なのは120℃以下に温度が下がると物理的に塗れない。又、打ち抜き工程では設備が停止した場合20分越えるとメントールが揮発限界になるので復帰したら70枚ほど無条件に廃棄します。又、長いベルトコンベアも地震を考えて固定アンカーせずフリーにしていた。すごい技術の玉手箱です。

居酒屋で発見

 ビタミン誘導体の光触媒反応は、時間がかかる問題がありました。

 

 

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