医薬品のモノづくりの歩み【第44回】
執筆者関連書籍「医薬品製造におけるモノづくりの原点と工場管理の実践」
BSCとKPIマネジメント(6)
本連載でのKPIについては、最終的にKPIマネジメントについて触れる予定ですが、その前に、もう少しKPIに対する具体的イメージを持っていただくために、医薬品の「モノづくり」と関連付け、その基本要素である品質(Quality)、生産性(Cost)、安定供給(Delivery)、技術(Technology)、安全衛生(Safety)と人材育成毎に、そのパフォーマンスレベルを評価するKPIにはどのようなものがあるか、その内容について順に紹介していきたいと思います。
第42回連載記事で、工場のBSC例を「モノづくり」の基本要素と関連付けると図1のようになることを紹介しました。例えば、Costを評価するKPIは、財務の視点で工場戦略目標を評価することに繋がり、品質、安定供給は主に顧客の視点での戦略目標の評価に関係していきます。
では、「モノづくり」の基本要素のパフォーマンスレベルを評価するKPIには、どのようなものがあるか、その代表的なKPIを表1に示します。
それぞれの基本要素QCDT+Sと人材育成を評価するKPIは1:1の関係にあるのではなく、取り組む課題によって複数のKPIがある一方、一つのKPIで複数の基本要素を評価することもできます。
そこで、以降、この中から各基本要素のパフォーマンスレベルを評価する代表的なKPIを一つ一つ紹介してきましょう。
表1 工場の「モノづくり」のパフォーマンスレベルを評価するKPI例

1.品質レベルを評価するKPI
工場の「モノづくり」の品質レベルを評価するKPIには、社外クレーム発生率、ロット合格率、逸脱発生率などがあります。
(1)社外クレーム発生率
社外クレーム発生率は文字通り、市場に出荷された製品において、製造起因により発生した品質上の問題により、評価期間内に顧客からクレームとして報告された件数を、その間工場から出荷された包装パック数で割った比率で表したもので、工場の総合的な製品品質や品質管理レベルの評価に使われます。
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