品質管理室(QC Lab)の管理【第3回】

2014/07/22 品質試験

(前回の続き)
2-1.監査・査察(以下監査と略す)の日程は、数ヶ月前(多くは2-3か月前)には監査側・被監査側双方の合意が得られ、決定されることが通常である。不測の事態;例えば、異物混入等の重篤な逸脱の場合、Cause Auditに分類される特別な監査が時間を選ばず開催される場合がある。また、合衆国に立地する製薬会社の工場に対しては、FDAは予告なく監査を行うことが通例である。FDAの海外の製薬会社の施設・工場へは、特別事態で得ない限り、数ヶ月前(多くは6-4か月前)にはFDA側・被監査側双方の合意のもと、日程が決定する。
大凡1か月前には、監査員の氏名・所属、日程(Agenda)が連絡される。
その際、監査したい施設・生産ライン・文書が知らされる。ただし、この連絡はあくまで目安である。近年の監査員は、Risk baseで監査を行うため、Riskの懸念があれば、Agendaに従わず、Riskを深く、幅広く監査する傾向にある。Agendaにとらわれずに、監査の準備に取り掛かる必要がある。
 
監査前の準備として、大事なことには、自己点検が挙げられる。自己のGMP systemが監査のGuideline(CFR、PIC/S、省令)に即しているかを内部の目で点検することが必須。
その際見いだされたGAP、逸脱は、監査の当日までに是正するか、CAPA planを準備することが望まれる。
 

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執筆者について

古澤 久仁彦

経歴 1978年住友化学工業に入社、創薬、安全性等に従事。2004年三井農林(株)に入社APIの製造部門にて、信頼性保証部長を歴任、2010年テバ製薬(旧大洋薬品)に入社、信頼性保証部門、部長としてvendorのGXP全般の監査を担当。2014年退社。
製造所のGM(X)P監査・risk評価並びGMP管理(製造管理、品質保証・管理、文書管理)の実践的対応、risk分析、PMDA/FDA査察の実践的対応を得意とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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