品質管理室(QC Lab)の管理【第2回】

2014/06/02 品質試験

(前回の続き)
1-3 品質試験記録・文書の整備、その照査
品質試験記録は、定められた試験法、規格に基づく試験の記録であり、その試験法が後に検証・再現できるように正確に記録として残す事を目的とする。記録の方法が、LIMSに代表されるE-dataもしくは、手書きで記録する紙媒体 (worksheet、lab note)の2方法が採用されている。
いずれの方式に於いても、その記述・記録の内容は、Guideline等に従い、品質試験記録に必要な項目は、master文書に決めて、QAが照査・保管することが要求される。
 
1-3-1 記録は次のような項目が代表例となる。

1. サンプル名(原料名、資材名、製品名等)

2. lot/バッチ番号(製造番号)、管理番号等

3. 試験検査項目

4. 準拠の試験法名、試験法の詳細の記述

5. 試験検査日(開始日、終了日)

6. 試験検査した者の氏名

7. 試験検査結果、合格基準

8. 試験結果の2次照査した者の氏名

9. 試験検査の結果の合格判定内容、合格判定日、判定者の氏名

10. 使用した標準品、試薬、調整液、HPLCの移動相、carrier gas、のVendor名、Lot番号、(有効期限) <別紙に記録する場合は、その引用の明記>

11. 希釈・調整に使用した純水の品質記録

12. 使用した機器(特に同様の機器が複数台ある場合)のID番号

 
1-3-2 試験検査結果は、生データを合わせて保管する。

1. 結果が数値で得られる場合には、具体的な数値を記録

2. 結果を得るために計算式を用いた場合には、結果の算出に用いた計算の記録

3. 機器分析のチャート(感熱紙を使用の場合は、コピー)

4. TLC等のクロマトの写真・コピー

 結果はすべて、一次試験者、2次照査/dataチェッカー、判定者/監督者が照査すること。 この照査の後、合格、OOS(OOS処理後に不合格判定)<又は保留の判定>を行うこと。 サンプル調整液は、照査もしくはOOSの調査が終わるまで保管する。
 

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執筆者について

古澤 久仁彦

経歴 1978年住友化学工業に入社、創薬、安全性等に従事。2004年三井農林(株)に入社APIの製造部門にて、信頼性保証部長を歴任、2010年テバ製薬(旧大洋薬品)に入社、信頼性保証部門、部長としてvendorのGXP全般の監査を担当。2014年退社。
製造所のGM(X)P監査・risk評価並びGMP管理(製造管理、品質保証・管理、文書管理)の実践的対応、risk分析、PMDA/FDA査察の実践的対応を得意とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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