医薬品のモノづくりの歩み【第41回】

執筆者関連書籍「医薬品製造におけるモノづくりの原点と工場管理の実践

BSCとKPIマネジメント(3)

 今回からBSCとKPIマネジメントの内容について、医薬品製造を事例に挙げて紹介していきたいと思います。

 最初に、BSCの手順から話を進めましょう。BSCは、図1に示したような流れで進められます。
 まず、企業の置かれている経営環境を踏まえて、将来のあるべき姿、全社員の夢となる企業ビジョンを策定します。そして、掲げたビジョンをどのように実現するか戦略を立てます。この戦略を考えるためには、内部環境の企業の強み・弱みと、外部環境の機会・脅威を客観的に分析するSWOT分析が一般的に使われます。また、戦略はBSCの財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の4つの視点で検討しますが、その関係の整合性やストーリー性を明確にするために図2のイメージ図で示したような戦略マップを作成し、それと併せて最終的に到達したいゴール(KGI)を設定します。戦略マップとは企業や組織が掲げる目標やビジョンを達成するためのシナリオのことで、目的達成のために落とし込まれた各戦略の因果関係や関連を図式化したものです。この戦略マップは、作成することで経営戦略の全体像を把握することができますので、メンバー間で戦略の意義を認識するための有効なツールとなります。

 次に、戦略マップで挙げた戦略を実現するために最も注力すべき項目を分析し、重要成功要因(CSF)として絞り込みます。戦略によっては、多数の成功要因が関与する場合もありますが、重要成功要因が多すぎると達成のための活動が散漫になり負荷も大きくなるため、重要度の高いものを2~3個程度に絞り込むのが望ましいとされています。

 

 

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