「マラソン」第16回

38 ビワイチという挑戦

「そうだ、ビワイチしよう」

我ながら突拍子もないことを思いついたものだ。

さて、この「ビワイチ」と聞いてピンとくる方は、関西にお住まいか、よほどの自転車好きではないだろうか。

最近流行りのAIとやらに「ビワイチって何?」と聞いてみた。


「ビワイチ」とは、「琵琶湖一周」の略称で、日本最大の湖である琵琶湖を自転車で一周することを指します。2019年には、国土交通省によって日本を代表するサイクリングルート「ナショナルサイクルルート」の一つに指定され、その魅力は国内外に広く知られています。 ビワイチの全ルートは約200km。琵琶湖大橋を境に、北側の「北湖(ほっこ)」(約160km)と南側の「南湖(なんこ)」(約40km)に分けられます。北湖は雄大な自然景観が広がり、南湖は比較的平坦で市街地に近く、初心者でも楽しめます。



…とのことである。実に分かりやすい。

ただ、このAIが触れていない事実が一つある。

この約200kmの道のりを、己の足、すなわちランニングで走破してしまう変態…いや、猛者たちがいることは、ここだけの話だ。

私の家から琵琶湖までは約20キロ。

そこからぐるりと一周して帰ってくれば、およそ240キロ弱の旅となる。

自転車とはいえ、なかなかの距離だ。 

普通なら、入念に計画を立て、数日に分けて走るのだろう。

しかし、毎週のように「京一」(約70キロの京都一周トレイル)を、時には2日連続で走っていた当時の私である。
もはや頭のネジが何本か、いや、ごっそり抜け落ちていたのかもしれない。

「明日(土曜)、天気もなんとかなりそうだ。よし、行こう!」

ほんと、よくやる、と今の私ですら思う。 

そんなこんなで、私の初ビワイチは、急遽決まったのである。

39 曇り空、そして雨
決行は翌日、とある土曜日。

 

 

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