化粧品企業が知っておくべきGMPとFDA査察の実際(書籍紹介:5)

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この度GMP Platformでは『化粧品企業が知っておくべきGMPとFDA査察の実際(株式会社じほう)』を執筆いたしました。
 
本書では「日本国内では化粧品や医薬部外品に分類される製品の一部が,米国輸出時に医薬品(OTC)に分類される」というケースを想定し,化粧品や原材料メーカーの皆様に米国の医薬品基準であるCGMPとFDA査察の基礎知識を知って戴く事を目的としております。
 
内容としては,GMPについての基本的な概念から,米国の化粧品規制にかかわる関係機関や法規,またFDA査察についての概要および具体的な指摘事項と対応例などを盛り込んで解説したほか,付録としてCGMPの対訳およびGMP関連用語解説を掲載しました。
 
GMP Platformでは,本文の一部を改編し掲載します。
書籍の購入は,じほう社Webサイトよりお申込みください。
 
■化粧品企業が知っておくべきGMPとFDA査察の実際(じほう社 Webサイト)
 
『化粧品企業が知っておくべきGMPとFDA査察の実際』
 第5章「指摘事例と対応例」より一部を引用,改編
 
 最近,日本の化粧品会社に米国FDA の査察が入り,ハード面やソフト面に数多くの不備を指摘(FORM 483)され,どのように対処すべきか,という相談を受けることが増えている。化粧品と医薬品は,その使用目的や製造方法が違うのに同じGMP が適用されるのはおかしいと思われるかもしれないが,患者さんや消費者の健康を守るという意味では同じものである。事実,自主基準ではあるが日本の化粧品GMP(ISO 22716:2007)を見てみると,簡潔に書かれてはいるが,その内容は医薬品GMP とほとんど同じである。
 
 FDA にも化粧品専門の査察官がいるわけではなく,医薬品の査察官が化粧品の査察も担当するわけで,どうしても医薬品の場合と同じような観点で査察することになり,指摘事項が増えることは否めないが,化粧品であっても,製造管理や品質管理のやり方に差はなく,コンタミやクロスコンタミ,混同などの人為的なミスを最小限にする手法はまったく同じである。
 
 医薬品業界も1960年代にGMP が導入された当時は,今の化粧品業界と同じような状況であった。以来50年を経過して,GMP グローバル化の進展等,医薬品の品質保証を取り巻く環境の変化に伴いレギュレーションも発展的に大きく変化し,対応に追われ現在に至っている。
 
 1970年代までは,QC 活動に代表されるように品質管理の時代,1980年代に入って品質保証とバリデーションの概念が導入され対応に苦労した時代,2000年代には継続的にプロセスを改善する品質マネジメントの時代になっている。品質マネジメントの時代になって,品質管理や品質保証がおろそかになったわけではなく,ますます洗練されてきている。品質マネジメントは品質保証や品質管理を抱合した概念である。これらのシステムの究極の目的は,患者さんの健康を守るために,製品品質の保証レベルをより高めることにある。
 
 化粧品業界にとっては,理不尽に突然,荒波に放り込まれたような気がするかもしれないが,医薬品業界が辿ってきた道であり,グローバルにビジネスを展開するためには避けて通れない。ぜひ,GMP の本質を理解し,GMP を運用,実践していただきたい。
 
 GMP の本質は,Accountability(説明責任)とTraceability(遡及性)に集約される。すなわち,製造に関するすべての作業(品質保証,品質管理,製造管理)について,「なぜそうするのか,理由を説明することができ,実際に実施したことを記録として残す」ことである。何となく,いい製品ができているだけでは受け入れられない。何事にも文書にした証拠がいるわけである。
 
 最近,プロセスバリデーションの概念が変更され,Accountability の重要性が強調されるようになった(FDA:Process Validation General Principles and Practices, 2011)。すなわち,プロセスバリデーションとは,「製品のライフサイクルを通じて,製造プロセスと品質管理プロセスの適格性を評価(Qualification)し,その状態が維持されていることを証明すること」でありStage 別に表現すると以下のようになる。
 
 Stage 1:製造法の開発段階でプロセスの構成要素(原料・設備・製法)の適格性を科学的に評価
 Stage 2:実生産スケールでそのプロセス構成要素の集合体としてのプロセス全体の適格性を評価
 Stage 3:年次レビューなどを利用してそのプロセスの適格性が維持されていることを証明
 
 これら一連のバリデーション活動が「なぜそうしなければならないか」の科学的根拠になるわけである。
 
 化粧品の場合は,流行に遅れないように製品を入れ替えるため,製品のライフサイクルは医薬品に比べて短いのが特徴であり,また製法自体も比較的簡単で,製品をリニューアルしても同じ設備を使用して,同じような製法で製造されることが多いと思われる。いったん,プロセスの適格性を評価( Stage 2 )すると,原料が少し変わる程度なら,Stage 1 の開発検討は省略され,いわゆるマイナーな変更管理で済み,手続きは簡単になる。知恵と工夫で,Accountability を確保していただきたい。
 
 
※第5章では,以下6つのシステムそれぞれの「指摘事項」「対応例」「解説」について述べます。
(1)品質システム
(2)構造設備システム
(3)原材料システム
(4)製造システム
(5)包装表示システム
(6)試験室管理
 
 
■化粧品企業が知っておくべきGMPとFDA査察の実際(じほう社 Webサイト)
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