GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第45回】
2021/06/04
品質システム

1.几帳面
彼は、几帳面で、仕事が丁寧だから、こんなミスをするはずがない。几帳面とは、「細かいところまで、物事をきちんと行うさま。決まりや約束にかなうように正確に処理するさま。」1)とある。作業を手順書通りに行い、間違いなく正確に作業を行うことができる性格を几帳面と呼ぶ。あえて、問題をあげれば、丁寧すぎて、効率が悪いかもしれない。その性格によって大雑把な者がおれば、几帳面の者がいる。作業の出来もその性格によって差が出すこともある。しかし、人は機械ではないので、几帳面だからと言って、必ず、ミスもなくできるかと問われれば、時として、ストレスや体調により、いつも通りにできないこともある。その人の性格に頼ってばかりいては、マネジメントはできない。それぞれの作業者の性格を見極め、人員の配置や作業者の組み合わせも考えるべきである。
すべての作業を、丁寧に時間をかけ、処理できれば問題は生じないだろう。すべての工程でダブルチェックなど行えば、時間がかかり効率的ではない。製薬会社も企業であり、安定供給もしなければならない中で、いくらでも時間がかけられないし、人手をかけるわけにはいかない。すべてのことを丁寧に扱うことをGMPは求めていない。何が重要であるか、品質に影響する点はどこかを作業者一人一人が認識する必要がある。几帳面な性格だからと言って、すべてが几帳面の人はなかなかいない。時間に細かい人や物の収納や置き場に細かい人、数字に細かい人などさまざまである。手順について細かい人も多い。それは、その人にとって重要な点がどこかによる。多分、そのことをいい加減にされると、几帳面な人にとって、気になってしまうはずである。では、重要な点がそのとおりに進まないと気になる点になるようにすれば、問題は解決する。
では、雑な性格の人はどうすべきであろう。性格を変えることはなかなかできない。しかし、すべてが雑な人もいないと思う。雑な面は、その人にとって、重要なことではないから雑になる。それが、たまたま、人の目につく部分だから、雑な人と思われてしまうのである。家の片づけができないやお金にだらしないとか、何とかなると心底では思っているのであろう。すべての人が同じように作業をすることは困難である。そのために、何が重要かを認識することが必要となる。
神奈川県庁勤務の時、MRA締結のため、イギリスの女性査察官とイタリアの若い男性査察官が、査察の審査をするため、訪日された。ある医薬品製造所の調査に立ち会われ、洗浄バリデーションについて、特定の作業者のみ検証していないが、手作業でもあり、作業者による差がないことをどのように検証するかを尋ねられた。「日本では、手順書を詳細に記載し、教育訓練することで、作業者による差が生じないようにしている。」と回答したが、そのような疑問が生じることは当然である。洗浄の記録においても、作業者による差がわかることまで記載されていない。どのくらいの時間をかけたかがわかる程度である。
手順書のとおり実施した記録が多く求められる。パラメータの記録だけでは、手作業的な部分はわからない。また、ダブルチェック欄は、☑の記載しかなく、その状況を把握できないことが多い。几帳面な人が一生懸命、細部まで、作業をしたことがわかり、雑な人が重要な点を忘れずに実施したことがわかる記録を作成する必要がある。
彼は、几帳面で、仕事が丁寧だから、こんなミスをするはずがない。几帳面とは、「細かいところまで、物事をきちんと行うさま。決まりや約束にかなうように正確に処理するさま。」1)とある。作業を手順書通りに行い、間違いなく正確に作業を行うことができる性格を几帳面と呼ぶ。あえて、問題をあげれば、丁寧すぎて、効率が悪いかもしれない。その性格によって大雑把な者がおれば、几帳面の者がいる。作業の出来もその性格によって差が出すこともある。しかし、人は機械ではないので、几帳面だからと言って、必ず、ミスもなくできるかと問われれば、時として、ストレスや体調により、いつも通りにできないこともある。その人の性格に頼ってばかりいては、マネジメントはできない。それぞれの作業者の性格を見極め、人員の配置や作業者の組み合わせも考えるべきである。
すべての作業を、丁寧に時間をかけ、処理できれば問題は生じないだろう。すべての工程でダブルチェックなど行えば、時間がかかり効率的ではない。製薬会社も企業であり、安定供給もしなければならない中で、いくらでも時間がかけられないし、人手をかけるわけにはいかない。すべてのことを丁寧に扱うことをGMPは求めていない。何が重要であるか、品質に影響する点はどこかを作業者一人一人が認識する必要がある。几帳面な性格だからと言って、すべてが几帳面の人はなかなかいない。時間に細かい人や物の収納や置き場に細かい人、数字に細かい人などさまざまである。手順について細かい人も多い。それは、その人にとって重要な点がどこかによる。多分、そのことをいい加減にされると、几帳面な人にとって、気になってしまうはずである。では、重要な点がそのとおりに進まないと気になる点になるようにすれば、問題は解決する。
では、雑な性格の人はどうすべきであろう。性格を変えることはなかなかできない。しかし、すべてが雑な人もいないと思う。雑な面は、その人にとって、重要なことではないから雑になる。それが、たまたま、人の目につく部分だから、雑な人と思われてしまうのである。家の片づけができないやお金にだらしないとか、何とかなると心底では思っているのであろう。すべての人が同じように作業をすることは困難である。そのために、何が重要かを認識することが必要となる。
神奈川県庁勤務の時、MRA締結のため、イギリスの女性査察官とイタリアの若い男性査察官が、査察の審査をするため、訪日された。ある医薬品製造所の調査に立ち会われ、洗浄バリデーションについて、特定の作業者のみ検証していないが、手作業でもあり、作業者による差がないことをどのように検証するかを尋ねられた。「日本では、手順書を詳細に記載し、教育訓練することで、作業者による差が生じないようにしている。」と回答したが、そのような疑問が生じることは当然である。洗浄の記録においても、作業者による差がわかることまで記載されていない。どのくらいの時間をかけたかがわかる程度である。
手順書のとおり実施した記録が多く求められる。パラメータの記録だけでは、手作業的な部分はわからない。また、ダブルチェック欄は、☑の記載しかなく、その状況を把握できないことが多い。几帳面な人が一生懸命、細部まで、作業をしたことがわかり、雑な人が重要な点を忘れずに実施したことがわかる記録を作成する必要がある。
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