【前回補足:EU GMPガイドライン改訂版3章について】ASTROM通信<59号>


株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。
 
 
本稿は【2014.10.01】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー
 


 

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
 

ここ数日、全国的に晴天が続いていますが、いかがお過ごしですか?
 

さて、今回は、前回のメールマガジンで取り上げたEU GMP ガイドラインの改訂版Part1 3章(建物・設備)の解説について、読者様よりご指摘をいただきましたので、その訂正も含め、あらためて3章の改訂箇所を見ていきたいと思います。
 


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前回のメールマガジンについての読者様からのご指摘
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前回のメールマガジンで、2014年8月13日に発出された、EU GMP ガイドラインの改訂版について取り上げました。改訂箇所は下記の通りです。
1)Part1
 3章 建物及び設備
 5章 製造
 8章 苦情、品質欠陥及び製品回収
 ※2015年3月1日施行です。
2)Part2 出発原料として使用される原薬に関する基本的要求
 ※2014年9月1日施行済です。
 

その中で、Part1 3章 建物及び設備 3.6 交差汚染の予防 に関し、サマリをして
 『改訂後のガイドラインには、交差汚染を製造設備の適切な設計と運用により防ぐこ
 と、その手段は、品質リスクマネジメントの原則に従い、リスクに応じた手段を講じ
 る必要があることが書かれています。そして、交差汚染のリスクが存在するのであれ
 ば、専用設備の使用を求めています。』
と記載したところ、"交差汚染のリスク"という言葉について、メールマガジンの読者様より、"3.6章で言っているのは交差汚染そのもののリスクではない"というご指摘をいただきました。
 

ご指摘の通り、ここで書いた"リスク"とは、交差汚染そのもののリスクではなく、交差汚染により医薬品に生じるリスクをさします。
誤解を招く表現をしてしまいましたので、ここで訂正させていただきます。
 

改訂版3.6章に書かれている"品質リスクマネジメント"は、開発及び製造中に潜在する品質問題を特定し、コントロールする予防的な手段を提供し、より高品質の医薬品を患者に提供することをめざすものです。
 

前回の書き方ですと、専用設備の要否は、交差汚染のリスクの有無で判断するととれてしまうと思いますが、本来は、交差汚染のリスクが存在したとしても、リスクをコントロールする手段があり、患者保護の観点でリスクを許容できるレベルまでコントロールできるかで判断するべきものです。
 

この読者様からは、"特定されたリスクをコントロールできるかどうか、そしてコントロールした結果許容できるレベルかどうかを判断し、許容レベル以下のリスクであればリスクテイキングすれば良いのだろうと考えています。"というコメントも頂きました。
 

ICH Q9(品質リスクマネジメント)にも、このことが書かれています。
 http://www.pmda.go.jp/ich/q/q9_06_9_1.pdf
読者様のコメントも含め、是非、ご参考にしていただければと思います。

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