【和訳】FDAリモート査察のガイドライン【第1回】
2021/05/21
品質システム

COVID-19(新型コロナウィルス感染症)による公衆衛生上の緊急事態における医薬品製造およびバイオ研究モニタリング施設のリモートインタラクティブ(遠隔対話式)評価に関する産業界向けガイダンス 2021年4月
Remote Interactive Evaluations of Drug Manufacturing and Bioresearch Monitoring Facilities During the COVID-19 Public Health Emergency Guidance for Industry
https://www.fda.gov/media/147582/download
標記のガイダンスが出ました。コロナ禍でFDAの査察が思うようにできていないために、遠隔(リモート)でのGMP評価を行うようです。これは実際に査察が必要かどうかの事前評価で、これで問題がなければ実査は行わないようです。また、正式な指摘事項Form 483は遠隔評価では提出はせずに、指摘事項のレポートを出し、回答を求めるとのことです。
査察で一番大切なことは、査察官に疑われないことです。疑われると、査察官が数名×数か月にわたって徹底的に調べられます。ほとんどの製造所はそれを行われると何か出てくるのではないでしょうか? 実際ある米国の製造所ではFDA査察官が数か月にわたって査察を行い、400ほどの指摘(クリティカルやメジャーもあり)を受け、対応に大変苦慮されました。
査察官もお仕事でやられています。私たちはそのお仕事が円滑にかつ目的を達せることができるようにお手伝いを行うことです。その気持ちを忘れないことです。遠隔評価はどうしても隔靴搔痒の感があります。そこをできるだけ、こちらでできることは協力することに尽きます。自分が査察官だったらどうして欲しいかを考えて準備・行動することです。査察官は該当製品の製造状況を目で見たいと思っています。そのビデオを用意し、品質に関係する箇所はより詳しく撮影するなど。自分たちが逆に委託先を遠隔評価したいなら、どこを見たいかは想像できるかと思います。このガイドラインにもFDAの要望事項が記載されていますので、その対応を見事に完遂することです。相手が何を求めているかを想像して準備することです。このガイドラインはそれに役立ちます。
また、GMPは見せ方で査察官の印象は大きく左右されます。そのためには被監査マニュアルを作成し、説明の仕方、質疑応答の注意事項、書類の取り出し時間などを練習により一定のレベルに上げることです。人は外見が9割という本もでているほど、身だしなみをよくすることは印象を左右します。まさに5Sの実践です。遠隔評価といえども忘れてはなりません。
ガイドラインが公開されているということは、これを見て協力してくださいとのニュアンスもあると思います。お役に立てると幸いです。不明な点は原文をご確認ください。
なお、翻訳にあたっては、鈴木理絵子さんにご協力いただきました。
Remote Interactive Evaluations of Drug Manufacturing and Bioresearch Monitoring Facilities During the COVID-19 Public Health Emergency Guidance for Industry
https://www.fda.gov/media/147582/download
標記のガイダンスが出ました。コロナ禍でFDAの査察が思うようにできていないために、遠隔(リモート)でのGMP評価を行うようです。これは実際に査察が必要かどうかの事前評価で、これで問題がなければ実査は行わないようです。また、正式な指摘事項Form 483は遠隔評価では提出はせずに、指摘事項のレポートを出し、回答を求めるとのことです。
査察で一番大切なことは、査察官に疑われないことです。疑われると、査察官が数名×数か月にわたって徹底的に調べられます。ほとんどの製造所はそれを行われると何か出てくるのではないでしょうか? 実際ある米国の製造所ではFDA査察官が数か月にわたって査察を行い、400ほどの指摘(クリティカルやメジャーもあり)を受け、対応に大変苦慮されました。
査察官もお仕事でやられています。私たちはそのお仕事が円滑にかつ目的を達せることができるようにお手伝いを行うことです。その気持ちを忘れないことです。遠隔評価はどうしても隔靴搔痒の感があります。そこをできるだけ、こちらでできることは協力することに尽きます。自分が査察官だったらどうして欲しいかを考えて準備・行動することです。査察官は該当製品の製造状況を目で見たいと思っています。そのビデオを用意し、品質に関係する箇所はより詳しく撮影するなど。自分たちが逆に委託先を遠隔評価したいなら、どこを見たいかは想像できるかと思います。このガイドラインにもFDAの要望事項が記載されていますので、その対応を見事に完遂することです。相手が何を求めているかを想像して準備することです。このガイドラインはそれに役立ちます。
また、GMPは見せ方で査察官の印象は大きく左右されます。そのためには被監査マニュアルを作成し、説明の仕方、質疑応答の注意事項、書類の取り出し時間などを練習により一定のレベルに上げることです。人は外見が9割という本もでているほど、身だしなみをよくすることは印象を左右します。まさに5Sの実践です。遠隔評価といえども忘れてはなりません。
ガイドラインが公開されているということは、これを見て協力してくださいとのニュアンスもあると思います。お役に立てると幸いです。不明な点は原文をご確認ください。
なお、翻訳にあたっては、鈴木理絵子さんにご協力いただきました。
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