医薬品工場建設のノウハウ -プロジェクトの成功に向けて-【第3章-3】

【第3章】プロジェクト基本計画(3)

監修:中尾 明夫河須崎 勝美田中 信夫
執筆:町田 進

 

平面計画案の検討
(1)平面計画案の作成

 プロセスブロックフローを基に、製造室機能関連図を作成し、必要な製造室を特定し、また各製造室間の関連検討を行い、平面計画案を作成する。


図7 製造室機能関連図


 製造室機能関連図は作成されない場合もあるが、その場合でも、以下の項目の整理が必要である。

機能関連図の検討項目
1) 搬入される原材料、中間体、資材等の移動方法はどのような方法であるか。台車等で搬出入される場合は、パスルーム経由による清拭や除染が必要か。
2) ブロックフローに示されたゾーニングの考え方が、更衣室やパスルーム、エアーロック配置と一致しているか。
3) 複数品目を同時製造する場合、製造切替が行えるか。また共通廊下や更衣室においてクロスコンタミネーションの懸念がないか。
4) 秤量室については、主薬と賦形剤等で、区分する必要がないか。
5) 洗浄室、洗浄後の乾燥室の配置が適切か。特に複数品目を製造する場合、洗浄室や乾燥室でのクロスコンタミネーションがないか。


 製造室機能関連図をもとに、敷地の与条件を加え、大まかな階層計画を立て(何階建か、敷地に配置できるか検討の上)平面計画案を作成することになる。
 平面計画案作成には、プロセスブロックフローに加えて、ブロックフローに示された各工程に必要な主要機器の概略サイズ、機器重量をまとめた主要機器リストのインプットが必要となる。

 平面計画では、将来スペースや敷地内での配置等の項目に加えて、当然ながら、動線検討やゾーニング検討といったGMPの要求を盛り込む必要がある。平面計画案の一般的な作成手法は次の通りである。




図8 平面計画案の作成手法(インプット情報と展開)

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