ICH Q10について(2)

(2)では、Q10がEWGでどのように議論されてきたかという点とKnowledge management(以下、KM)との関係の他、今後Q12に繋がるRegulatory flexibilityについて、より詳細に記述し、また、速やかに(即ち、手っ取り早く)Q10導入を第三者にアピールするために何が必要かということにも若干触れたい。
 
 ICH Q10検討のきっかけは、2003年7月のBrussels会議、その後の11月の大阪会議である。業界側での狙いは、原薬GMP(Q7a)に対するQ7b、即ち、製剤GMPであった。しかし、ICHのトピックに馴染まないとの当局側からの反対があり、更なる議論が行われた結果、次のビジョンに至った。
 
 「リスク管理及び科学への総合的アプローチに重点を置き、製品のライフサイクル全期間に適用される調和された医薬品の品質システムを開発する」
 
 製剤GMPは、既に各極で法制化されていた。ICHは、規制に触れないということになっているため、ICHによる製剤GMPは活動にそぐわないという判断になったものと推察する。原薬GMPは、その後番号が変更となり、Q7aからQ7となった。
 ICHのStep 4はテクニカルドキュメントの位置付けであって、規制ではない。業界側が参加するのはそういった背景もある。それを規制にする段階は、Step 5であり、各極当局はStep 4ドキュメントをもとにStep 5ドキュメントを作成し、それぞれの極で規制として発出する。
 2003年に示されたビジョンを受けて、2004年6月のWashington会議で、業界側から承認後変更及び改善に重点を置く品質マネジメントシステムを提案した。議論の結果、スコープの絞り込みが不十分であり、また、当局側からQ8~Q10の同時進行はリソース不足との難色が示されたため、Q8及びQ9がStep 2に到達した後にトピック化を再検討することとした。その後、2005年5月のBrussels会議でQ10に関するビジョンを合意し、コンセプトペーパーを作成、2005年11月(Chicago)の立ち上げとなった。
 Q10は、Q8とQ9が相乗的に作用して、業務リスクの低減、革新と継続的改善、変更マネジメントプロセスを最適化することを目的とする。また、原薬、製剤、バイオテクノロジー医薬品、既承認医薬品を適用対象とする。

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

キーワード検索

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます