ICH Q10について(3)

"(3)では、Q10の章ごとにポイントを述べる。
 先ず、(2)で触れたように、Step 4からStep 5のタイミングについて触れる。Q8(Main body)及びQ9は、Step 4になったのが2005年11月でStep 5は2006年9月、Q8 AnnexではStep 4が2009年6月でStep 5は2010年6月だった。それに対して、Q10はStep 4が2008年7月でStep 5は2010年2月と、他より若干時間がかかっている。正式な情報はないが、発出までに当局にてQ10の用語とGMPの用語間での関連を確認したものと考えられる。このようにQ10はGMPと密接な関係にある。
 
「1. 医薬品品質システム」の章
「モデル」ということについて(1.1章)
 Q10では「ISOの品質概念に基づき、適用されるGMPを包含し、Q8及びQ9を補完する(complements)一つの包括的なモデルを記述するものである」と述べている。ここにQ10の輪郭なり置かれる立場が表わされる。後のQ-IWGで、欧米各委員と議論する機会があったが、委員の認識は、Q10が基礎にあって、その基礎の上でQ8の運用やQ9の実現があるというものだ(ただし、Q10では、後のEnablersの説明の章もあって、これらの関連が少しややこしい)。なお、「品質」の定義は、Q9やQ10にあるように「製品、システム又は工程に係る本質的性質の組み合わせが要求事項を満たす程度」となっており、ISOの概念から来ている。一方、Q8ではQ6Aにならい「原薬または製剤がその用途に適合している程度のこと」と定義される。このように、ガイドラインの目的によって「品質」の定義が異なっている点に留意いただきたい。
 「はじめに」の文中、「ICH Q10の内容の内、現行の各極のGMP要件に対して付加的な部分の実施は任意である」としている。企業は、その規模等に応じて、どのような形(形式)の品質マネジメントシステムも選択しうる。「1.7 設計及び内容に関する考慮点」の章を参照すれば、当該企業の活動の規模及び複雑さが考慮に入れなければならないとある。Q10は「医薬品品質システムの一つのモデル(a model for a pharmaceutical quality system)」であり、Q10で示す形が絶対ではない。ただし、既に導入しているISOをベースにしているところでは、1.7章 (f)で、「PQSの要素(製造プロセスの稼働性能及び製品品質のモニタリング、是正措置及び予防措置、変更マネジメント及びマネジメントレビュー)を含まなければならない」とあるので、Q10に準じた整備を目指す場合、現行のシステムとQ10の要求とのギャップ分析を要するだろう。"

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