製薬用水の実践知識【第4回】TOCって何?

はじめに
 製薬用水を水質管理するモニタリング項目として、TOC測定が着目されています。第16改正日本薬局方(以下JP16と略)において、製薬用水中の有機物検査に関して、従来の理化学試験からTOC測定へ大きくシフトされたことがその背景にあります。今回はTOC測定の本質についてお話しします
 
1.TOCとは何か
 TOCは総有機体炭素と訳され、Total organic carbon の略とされます。すべての有機体炭素という概念はあっても、有機体炭素には様々な形体があり、その総量を測定することは容易でないと推測できます。
 
 また、
  TOC=TC-IC ・・・(1)式
  TC:Total carbon
  IC:Inorganic carbon
 という定義がありますが、TCを測定することはTOCよりも、更に容易でないこともわかります。
 
 次に、有機物は酸化されることに着目し、有機物をCn-Xと表し、有機体炭素が全て酸化され二酸化炭素が生成するモデルを酸化反応式に表すと、
  Cn-X+nO2→nCO2+X ・・・(2)式
 となります。
 
 ここで、消費された酸素量もしくは生成した二酸化炭素量を測定すれば、間接的にCn-X中のCを測定することができます。

図1 Total-OC測定概念

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