製薬用水の実践知識【第1回】精製水って何?

 医薬品・医療機器・化粧品製造に使う水を広く精製水と呼んでいます。

 精製とは純度を上げることですから、精製水は自然水に含まれる不純物濃度を低下したものと位置付けることができます。
 水道水は飲料に適するように自然水中の不純物を浄水装置によって低下したものであります。水道水中の不純物を更に低下したものを純水と呼び、試験水及びボイラ給水に使ってきました。
 試験水やボイラ給水に不純物が含まれると、試験精度が低下する原因、ボイラ内に不純物が堆積する原因と成るからです。
 純水と精製水はその純度から、同じものと考えても差し支えなく、その証拠に、精製水製造装置と純水装置には同じ単位機器、イオン交換塔や逆浸透膜にて構成されています。
 一方、精製水は日本薬局方にその製法、貯留法、純度試験などが収載されています。医薬品・医療機器製造は、許可を受けないで製造することは認められませんから、製造許可を得るため遵守する事項が予め定められています。その1つが日本薬局方であり、日本薬局方はその記載事項として、各条の中にいくつかの製薬用水を収載しています。
 例えば、第16改正日本薬局方(平成23年4月1日公示)には、5つの製薬用水が収載されており、精製水と名が付いているのは、「精製水」、「容器入り精製水」、「滅菌精製水」の3種があります。
 
表1 JP16改正精製水・注射用水

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