面白エピソードからみる輸送物流【第3回】

さて次の研修先の混載課の話になります。
航空貨物の場合、航空運賃を安くするために多くの企業が航空貨物の混載業者を使用しています。
航空貨物はIATA(英: International Air Transport Association、日: 国際航空運送協会)で各向け地への運賃が決められています。
Min、Normal、45kg、100kg、300kg、500kg、1000kg
と重量によって金額が違い、重くなれば1kg当りの金額は安くなって行きます。

分かりにくいと思いますので例を…
例えばワシントンDCに貨物を送る場合に料金表は下記として
 
 M   10000 
 N   1900 
 45   1420 
100   1290 
300   1230 
500   1130 
1000   1050 

4kgを送ろうとすると
N(ノーマル)運賃を適用すると
1,900円 x 4kg = 7,600円
となりますが、M(ミニマム)運賃より低いのでM(ミニマム)運賃適用になり、
10,000円の航空運賃になります。

6kgを送る場合は
1,900円 x 6kg = 11,400円
となりM(ミニマム)運賃より高いので11,400円の航空運賃になります。

混載業者は多数の顧客から貨物を集めて差額を利益にするのですが、分かりやすく解説しますね。

混載業者はA社から50kg、B社から45kg、C社から50Kg、D社から5kgの貨物を委託された場合には合計重量が150kgとなるので、航空会社からは
1,290円 x 150kg = 193,500円で150kgのスペースを買うことになります。

一方各顧客には下記のようになります。
A社 50kg x 1,420円 = 71,000円
B社 45kg x 1,420円 = 63,900円
C社  50kg x 1,420円 = 71,000円
D社  5kg x 1,900円 =  9,500円 ミニマム料金適用で10,000円
4社に対し合計で215,900円の請求となり、
215,900円 – 193,500円 = 22,400円の利益となります。

もう一つからくりがありまして、航空貨物の場合は実重量と容積重量のどちらか大きい重量を請求重量とする決まりになっています。
容積重量の計算は貨物の縦、横、高さのcmをかけて6,000で割ると容積重量が算出できます。
ここでボルトとか金属の塊のような部品など非常に重いものを98kg、
プラスチックで成形した軽い部品の実重量が2kg、容積重量が50kg、
この場合、混載業者としては実重量勝ちになり、航空会社からは
98kg + 2kg = 100kgとして
100kg x 1,290円 = 129,000円
でスペースを買います。
一方ボルトの顧客には
98kg x 1,420円 = 139,160円 この場合100kgの1,290円を適用した方が安いので
AS100kg x 1,290円 = 129,000円の請求

プラスチック成型した部品の顧客には容積重量勝ちなので
50kg x 1,420円 = 71,000円
となり
合計で129,000円 + 71,000円 = 200,000円の請求
差益として200,000円 – 129,000円 = 71,000円の利益
となる訳です。

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます