面白エピソードからみる輸送物流【第4回】

さて今回は成田での研修の話です。

当時、成田空港では生鮮品、動植物、貴金属など特殊なものを取り扱いしておりました。
実はもう30年前の事で筆者は成田での研修内容はほとんど覚えてないのですが…

先ず印象に残ってて一番覚えているので、中国からの犬の輸入のための作業です。
ちゃうちゃうを複数匹の現場作業だったのですが、檻に入ってるので噛まれたりする心配は無いのですが、まぁ見事に尿まみれで尻尾を振ったりするとこっちに飛んでくるんですよ。
お世辞にも衛生状態は良く見えず、海外引越でペットを連れて帰ってくる場合も同様の扱いなので、これは飼い主さんが見たらビックリするし絶対に見せられないのではと、強く感じたのを覚えています。
次はValuable Cargoの内容点検でした。
Valuable Cargoとは高額商品、宝石、金塊などの貨物のことで、金塊とはダイヤモンドとかをちょっと期待したのですが、そこまで高価ではないジュエリー類だったのでちょっと拍子抜けとなりました。

この成田での研修をエピソードを交えてもっと書こうと思ってたのですが…
もう30年以上前の事なので思い出せなかったので、次の新宿支店勤務編へ移らせていただきます。
30年以上前の事って案外忘れてる事は多いのですが、見事に成田での研修はほとんど記憶に残って無かったのであしからず。

無事、通関等の研修が終わり正式な配属先の新宿支店へ行くことになりました。
当時のこの新宿支店は日本の某時計有名ブランド、フランス政府系の防衛産業部門の会社、日系の半導体装置メーカー、東京の多摩地区にある大手電子部品メーカーの大手顧客のみを取り扱う支店でした。
私は某時計有名ブランドの担当となり、この会社の場合は先輩と筆者が顧客のオフィスに常駐して、自社の取り扱いの出荷分のInvoice(*1)、Packing List(*2)、航空会社及び混載課へのBooking(予約)を行うことが求められていました。
ちなみにここには国際航空貨物を扱う同業他社が他2社、船での貨物を扱う会社が1社とが筆者の所属会社と同じようにお客のオフィスに常駐していました。

まだ、パソコンなど普及していない時代でしたが某時計ブランドの新宿オフィスと長野県の工場はオンラインでつながっており、輸出用の引き当てた明細と梱包明細をもとに、ひたすらタイプライターで書類を作り(お陰様でタイプライターを打つスピードはとてつもなく早くなり、これが後のベルギー勤務で存分に生かされる事にもなったので、非常に感謝しています。)、同時に重量、m3を混載課や航空会社に連絡してスペースを確保し、顧客のマネージャーから種類にサインをもらい、出荷に必要な書類を完成させるものでした。

常駐している航空貨物取扱3社中、2社は貨物が出るのは長野県の工場で、一日でも早く航空機に搭載し納品先までのリードタイムを短くするために長野県に営業所を構え、輸出通関を長野で行っていたのですが、筆者の所属していた会社も輸出通関を諏訪営業所で行うために、日々筆者たちが仕上げた書類を下記のようなFlowで諏訪営業所まで送っていたのです。

顧客新宿オフィス17:00発⇒大田区の幹線ベース店18:00着⇒諏訪営業所翌日10:00着

そこで顧客新宿オフィス⇒大田区の幹線ベース店の輸送は創業間もない株式会社トラスト・エキスプレスに委託していました。
そうです!
現在、筆者が所属している会社です。
当時は創業間もないバイク4台で始まったバイク便の会社だったのですが、まさか自分が将来所属するなど夢にも思わず、かなりの無茶をライダーさんにお願いしてました。
出荷件数が多いと17:00になっても書類が出来上がっていない状況になり、17:30ぐらいに書類をライダーに渡す事も多々あり、筆者と同じ歳のライダーはそれでも間に合わせてくれていたので、感謝しかなかったですね。
後日談ですが…
このライダーは私の高校卒業で同期入社した女性の後に結婚したのです。
見た目、まじめそうでバイクで走らせたら早かったですが、手も早かったってことですかね!
筆者が海外勤務の間に結婚したので、式に出たかったのですが、出れなくて残念でした。
 

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