医療機器の生物学的安全性 よもやま話【第53回】

 

身体の中で分解する材料の微量無機元素の影響

 

 生体内で分解する無機材料のお話をしてきましたが、無機材料にしても有機材料にしても、材料中にはメインとなる構成元素の他に、不純物として微量の無機元素がどうしても残留します。それからが生物学安全性に影響するのかどうかを考える必要があります。
 ただ、何種類もある微量の不純物元素について、前回までのように体内動態を調べるということは現実的ではありません。
 そこで、何か毒性学的に意味のある閾値がないのかと考えますと、医薬品の元素不純物のコントロールとして、日米 EU三極医薬品承認審査ハーモナイゼーション国際会議(ICH)で長らく議論され、国内でもガイドライン化された「元素不純物ガイドライン Q3D」(平成27年9月30日薬食審査発0930第4号)や「ICH合意ガイドライン 元素不純物ガイドライン Q3D R2」(令和5年1月20日薬生薬審発0120第1号)がありますので、これらの利用を考えてみたいと思います。

 このガイドラインには、経口製剤、注射剤、そして、吸入剤中に含まれる元素不純物の許容量を示した表が掲載されています。
 許容量のことをPDE値と言いますが、これは、許容一日曝露量(permitted daily exposure)のことで、生物製剤のような医薬品ではなく、従来の合成化学医薬品製剤の元素不純物の許容値です。
 

元素不純物に係る許容一日曝露量 1 
(ICH合意ガイドライン 元素不純物ガイドライン Q3D R2)

1    この表に記載したPDE値(µg/day)は付録3のモノグラフに示した安全性データに基づいて設定されており、新製剤に適用される。モノグラフのPDE値は四捨五入されていない。実用のため、この表に示すPDE値は有効数字1桁又は2桁に四捨五入されている。10未満のPDE値は有効数字1 桁とし、直近の単数で四捨五入する。10よりも大きいPDE値は適宜有効数字1桁又は2桁に四捨五入されている。この表の四捨五入に適用される原則は、他の投与経路から導き出したPDE値にも適用される。 

 

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