医療機器の上市を考える上で【第1回】

2021/11/12 医療機器

新たに京都府として『薬事支援』を業務とし、京都府薬事支援センターを設置し、支援を行うことにした。

そもそも医療機器とは

 本稿では、時代が変化する中で、医薬品や医療機器などの開発から上市、そして上市以降もあらゆる面でサポートを行うために、新たに京都府として『薬事支援』を業務とし、京都府薬事支援センターを設置し、支援を行うこととしました。
 その中で得た経験等を踏まえて、皆さまに参考となるような情報をお伝えできればと思っています。

1.京都府薬事支援センター ~ 医療機器の上市のための相談 ~ 
 京都府薬事支援センターが、令和2年4月に開設し1年半年が経ちました。
 この間、薬事支援センターへの相談は、100件を超えており、その全てに私は関与させていただいています。
 100件の内訳を見てみますと、医療機器の相談が4割を超えていました。

 そして、その相談内容は、開発から上市までの相談や法解釈・運用的な話まで幅広いものとなっていました。

 特に、医療機器では開発されたものを如何に上市していくかが多く、以下のようことが相談されています。

○ 医療機器を開発したのですが、この医療機器のクラス分類はどれになりますか?
○ この医療機器は、どのような一般的名称になるのでしょう?
○ 医療機器として承認申請する場合、必要な臨床データ等はどのようなものになりますか?
○ (製造業・製造販売業の許可・登録や医療機器の承認・認証などの取得等には)どの程度の費用がかかるものですか?
○ (上市するまで)どの程度の時間がかかりますか?
○ 製造業の登録や製造販売業の許可はどのような段階で取得すれば良いでしょうか?
○ QMSはどのように構築していけば良いでしょう?
○ そもそもですが、開発した物は医療機器として扱えるものでしょうか?

 このような相談を受ける中で、当センターでは相談者の方々の知識や経験、その時点での進捗等の状況を踏まえつつ、薬機法上の必要な手続きやその内容整理等の支援をしています。

 このような医療機器に関する相談について、都道府県の立場で対応してきた内容などを踏まえこの記事の中で説明させていただきますので、その内容が皆さま方の一助となれば幸いです。
 

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執筆者について

田中 良一

経歴

株式会社シーエムプラス シニアコンサルタント。
2006年 京都府へ入庁。2009年より健康福祉部薬務課にて医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品、体外診断用医薬品製造業・製造販売業許認可やGQP/GVP/GMP/QMS調査を担当。日本当局のPIC/S加盟によるQMSの立ち上げに携わる。2018年に厚生労働省へ入庁、医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課 GMP指導官に就任、GMP/QMS関連の法・省令改正に従事。2020年に京都府へ帰庁、京都府薬事支援センターを立ち上げる。2024年7月にシーエムプラス入社。
業界活動としては、PDA製薬学会関西勉強会、製剤機械技術学会GMP委員会・DI委員会、過去には医機連QMS委員会、厚生労働科学研究に参画。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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