FDAの対応すべき医療機器規制について【第8回】

"QSRによる品質システム構築にあたり、用語の定義をきちんと理解している必要があります。それは、QSRだけでなく関連したQSITおよびMDRにも同様のことが言えます。それらの要求事項の中に、「ファイル」を維持することが求められている項目があります。このファイル化要求は、「ファイル」としてオープン/クローズの管理を伴って、「ファイル」が維持されることが必要になります。【第8回】 の本記事では、文書・記録の「ファイル」要求について解説します。

まず、ファイルとは何か広辞苑[26]で調べてみますと、以下のように記載されており、実際の物理的ファイルと、コンピュータシステムにおけるファイルにおいては、ほぼ同義の意味となっています。

①書類・資料などを整理し、綴じて保存すること。また、書類の綴込み。
②コンピューターで、意味的なまとまりをもったデータの集まり。

すなわち、書類またはデータの集められたものが「ファイル」に綴じられるとなる訳ですが、「ファイル」を維持するとなると、ファイルとしての管理が必要になります。そこでオープン/クローズの管理が重要になります。
例えば、FDA査察官が、この「ファイル」はどのように管理していますか?と質問したら、ファイル固有の管理番号と、オープン/クローズの日付、ファイリング内容のリストなどを示すことによって、管理されていると答えることになるでしょう。ファイルの中身が適切か、というようなことも質問されるかもしれませんが、まず必要なのは業務が適切に行われたかを確認するため、オープン/クローズの日付が重要な指標になってきます。

次に要求事項ですが、それぞれ以下のような事項が求められています。
【QSR】
Part 820.30(j)設計履歴ファイル[4]
各製造業者は、機器のそれぞれのタイプについてDHFを確立し、維持しなければならない。
Part 820.198苦情ファイル[4]
(a)各製造業者は苦情ファイルを維持すること。

【QSIT】
Part 806.10(Reports of Correction and Removal)[7]に従って、文書の報告で要求される全ての情報を提供したか。サンプリング表を用いて、一般的な是正処置のファイル(例えばCAPAファイル)をいくつか選びなさい。

【MDR】
Part 803.18(Medical Device Reporting)[27]
適用されるMDRファイルまたは記録を確立および維持するための要求事項に何があるのか?
"

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