ラボにおけるERESとCSV【第11回】
はじめに
PIC/Sへの日本加盟が2014年7月に承認された。このPIC/S加盟に伴い、PIC/S GMPにより得られる品質との同等性が国内当局によるGMP適合性調査(査察)において調査されることになった1)。今回は, PIC/S加盟当局のGMP査察におけるコンピュータ指摘を紹介し、PIC/Sが求めるコンピュータ要件を説明する。
1. PIC/Sとは
PIC/Sとは世界のGMP査察当局間の協力機構である。PIC/Sの正式名称はThe Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Schemeであり、医薬品査察協定・医薬品査察協同スキームと訳される。PIC/Sは法的拘束力を持たないが、査察当局間において情報交換を行い、調和されたGMP基準および査察当局の品質システムの国際的な開発・実施・保守を行うことを目標としている。米国は2011年に38番目のメンバーとなり、日本は2014年に45番目のメンバーとなった。
2. PIC/S GMPガイドライン活用の考え方
我が国がPIC/Sに加盟するにあたって解決すべき課題は以下の3つであった。
1)GMP調査当局(PMDAと都道府県)の品質システムの整備、連携
2)GMP調査員個々の質を確保(査察の質が国際レベルであること)
3)国内GMP関連規制とPIC/S GMPガイドラインとの同等性確保
PIC/S GMPガイドラインと国内GMP関連規制との同等性評価結果は以下のとおりであった。
A) GMPの基本的な考え方にギャップはない
B) 各論的(特定の設備に対する要件等)な部分において、国内ガイドでは
◇ 具体的な記載がない部分がある
◇ 事務連絡、自主基準等、その位置づけが曖昧なものに要件が記載されている
上記Bの対応として、以下の方策をとることになった。
A) PIC/Sガイドラインを国内ガイドラインの1つとして取り込む
B) 最終的には世界共通のGMPを目指す
C) 重要項目は施行通知へ取り込む
そして、GMP基準の国際整合への方策として、下記事務連絡によりPIC/S GMPガイドラインを活用する際の考え方が示された。
PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について
厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課
事務連絡 2012/2/1
事務連絡「PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について」のポイントは以下のとおりである。
A) PIC/S GMPガイドラインを参考手法として位置づける
B) PIC/S GMPガイドラインの手法によって得られる品質との同等性を調査する
C) 品質および保健衛生に対し許容できないリスクがある場合、PIC/S GMP
ガイドラインと同じ手法を求めることがある
PIC/Sへの日本加盟が2014年7月に承認された。このPIC/S加盟に伴い、PIC/S GMPにより得られる品質との同等性が国内当局によるGMP適合性調査(査察)において調査されることになった1)。今回は, PIC/S加盟当局のGMP査察におけるコンピュータ指摘を紹介し、PIC/Sが求めるコンピュータ要件を説明する。
1. PIC/Sとは
PIC/Sとは世界のGMP査察当局間の協力機構である。PIC/Sの正式名称はThe Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Schemeであり、医薬品査察協定・医薬品査察協同スキームと訳される。PIC/Sは法的拘束力を持たないが、査察当局間において情報交換を行い、調和されたGMP基準および査察当局の品質システムの国際的な開発・実施・保守を行うことを目標としている。米国は2011年に38番目のメンバーとなり、日本は2014年に45番目のメンバーとなった。
2. PIC/S GMPガイドライン活用の考え方
我が国がPIC/Sに加盟するにあたって解決すべき課題は以下の3つであった。
1)GMP調査当局(PMDAと都道府県)の品質システムの整備、連携
2)GMP調査員個々の質を確保(査察の質が国際レベルであること)
3)国内GMP関連規制とPIC/S GMPガイドラインとの同等性確保
PIC/S GMPガイドラインと国内GMP関連規制との同等性評価結果は以下のとおりであった。
A) GMPの基本的な考え方にギャップはない
B) 各論的(特定の設備に対する要件等)な部分において、国内ガイドでは
◇ 具体的な記載がない部分がある
◇ 事務連絡、自主基準等、その位置づけが曖昧なものに要件が記載されている
上記Bの対応として、以下の方策をとることになった。
A) PIC/Sガイドラインを国内ガイドラインの1つとして取り込む
B) 最終的には世界共通のGMPを目指す
C) 重要項目は施行通知へ取り込む
そして、GMP基準の国際整合への方策として、下記事務連絡によりPIC/S GMPガイドラインを活用する際の考え方が示された。
PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について
厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課
事務連絡 2012/2/1
事務連絡「PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について」のポイントは以下のとおりである。
A) PIC/S GMPガイドラインを参考手法として位置づける
B) PIC/S GMPガイドラインの手法によって得られる品質との同等性を調査する
C) 品質および保健衛生に対し許容できないリスクがある場合、PIC/S GMP
ガイドラインと同じ手法を求めることがある
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