米国FDAと中国CFDAによる無通告査察

2015/09/24 品質システム

余 知暁

2015年1月21日にEMAは中国大手製薬メーカーである華北製薬の工場に対して、Non-Compliance Reportを発行した。そして半年も経たないうちに、もう1つの中国大手製薬メーカーである連邦製薬の原薬工場の1つにも、Non-Compliance Reportを発行した (2015年6月15日)。更に7月にも別の二つの中国会社がNon-Compliance Reportを発行された。 

2014年は、中国の製薬会社の内、5社がEMAの査察に通らずNon-Compliance Reportを受け取っている。

同様に、2014年のFDA査察に対しては、華潤三九、九州製薬公司などの5社がWarning Letterを発行されている。

中国で影響力を持つ大手製薬メーカーである華北製薬、連邦製薬、華潤三九、九州製薬公司でさえFDA、EMAの査察に合格出来ないことは、中国で大きな騒ぎとなった。

グローバルの製薬市場において中国と同等な位置付けとされるインドの製薬会社も、近年同じ状況に陥りFDAからのWarning Letter、又はEMAからのNon-Compliance Reportの発行が相次いでいる。インドには、アメリカ国内に医薬品を提供する製薬メーカーがアメリカに次いで多く存在する。また、アメリカにジェネリック医薬品を一番多く輸出している国であり、それ故、2009年にはFDAはインドに事務室を設立した。インドの製薬メーカーにCGMPの適合問題が多発したので、2014年からFDAはインドの製薬メーカーに対してUnannounced inspection (無通告査察) を開始した。

 

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執筆者について

余 知暁

経歴 株式会社シーエムプラス中国リエゾンオフィス所長、GMP Platform コンサルタント。
2005年瀋陽薬科大学を卒業、同年日系大手エンジニアリング会社に入社。GMP部門のバリデーションエンジニアとして、日本において新設医薬製剤工場設立におけるバリデーション業務、DQ/IQ/OQ要領書の作成に従事。2010年上海東富龍科技股分有限公司入社。凍結乾燥機のエンジニアリング業務での通訳及び日中間における各種契約事項の調整に携わる。2013年株式会社シーエムプラスに入社。 PMDAによる中国製薬企業原薬工場GMP調査での通訳経験を複数回有し、中国語、日本語、英語と三ヶ国語を扱う。
2018年には中国CFDA(現NMPA)が主催する『日本のGMP査察システムに関する検討会』にメンバーとして参加。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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