Quality Culture【第1回】

品質文化とは何でしょうか?
なぜ今、FDAが品質文化を言い出したのでしょうか?
既に多くの人が品質文化について説明されています。また、GMP事例研究会においても2017年、2019年に発表されています。あえて、ここで私が品質文化について書くのは、品質文化について私が理解してきた、また疑問に思っていることを一緒に辿っていただければと思います。


 FDAは様々なガイドラインを出し、かつ厳しいGMP査察を行うことで品質を保証しようとしてきました。しかし、データの偽造、偽証がなくなりません。
 イソップ「北風と太陽」のお話をご存知だと思います。FDAが品質文化を言い出したのを知り、頭に浮かんだのはこのお話でした。北風が旅人のコート(偽造/偽証する行為)を脱がそうとしても旅人は必死にコートを掴んで着たままです(偽造/偽証がなくならない)。ようやく、北風ではだめ(完全に偽造・偽証をなくすことができない)とようやく理解し、太陽が登場しました。つまり旅人自らがコートを脱ぐ(品質を守る)のです。FDAが流石だと思うのは、この雲を掴むような品質文化を指標化して、その指標が良ければ、FDAの査察を減らすとの考え方はなるほどと思いました。
 日本の品質は“**が造った**”が品質の大きな信頼になっています。「よいものを造ってお客様に届けたい」との気持ちを大切にしてきたのが日本のモノづくりの文化でした。
 医薬品のGMPは欧米から来ており、GMPの基本概念は「性悪説」に基づいて作られています。つまり、人は悪いことをするから悪いことができない仕組みを目指しています。これは日本のモノづくりの文化とは相反するものでした。

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