非無菌製造のためのエアロックでの微生物や粒子のモニタリングは必要か?

2019/03/13 ニューストピックス

3/12付のGMP PublishingがLogfile「Is monitoring (of germs and particles) required in “unclean airlock areas” for non-sterile production?と題する興味ある抄録を掲載しています。
 
「非無菌製造のための“汚れたエアロック領域”での(微生物や粒子の)モニタリングが必要か?」というものです。
異なる表現を用いるならば、「カテゴリーE / Fエリアで、ISO 8レベルの環境モニタリングが必要か?」ということになります。
 
筆者もよく質問されたり、監査時に議論の対象になることが少なからずあります。
 
当該抄録の筆者としては「エアロック内の(粒子や細菌の)モニタリングの必要性を認識していない」という結論ですが、一方で「法的基準を求めるのではなく、リスクを評価しなければならない」ということも述べています。
 
ありきたりの結論とも言えますが、論じていること自体は賛成です。
ただ、筆者の場合は、本件に関しては、リスク評価で要/不要を考えるくらいならば、モニタリングしてしまった方が簡便だと思っています。
理由は、リスクアセスメントの結果として不要とするには、かなりのアセスメントの労力がかかるのと、それを査察官/監査員に納得させうるだけの情報が必要になるためです。
 
抄録内には、参考値なども記してあります。
興味のある方は、下記URLの抄録をご参照ください。
https://www.gmp-publishing.com/content/en/gmp-news/gmp-newsletter/gmp-logfile-lead-article/d/1422/gmp-logfile-09-2019-monitoring-non-sterile-production
 

執筆者について

古田土 真一

経歴

GMDPコンサルタント(Pharmaceutical Quality Science Advisor)

1979年より田辺製薬(株)(現田辺三菱製薬)にて合成探索研究、プロセス・工業化研究、CMCプロジェクト開発、治験薬QA、コーポレートQAを歴任。2008年より武州製薬(株)にてQA/QCの管理監督。2009年より中外製薬(株)にて治験薬・医薬品のQA業務・品質システムを改革推進。2013年よりアステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)にてCMC・Supply Chain・QAの長として業務構築。2015年より三井倉庫ホールディングス(株)にてヘルスケア製品の事業開発アドバイザーとして業務構築。2015年9月より (国立研究開発法人) 国立精神・神経医療研究センター/トランスレーショナル・メディカルセンター臨床研究支援部アドバイザーとして医薬品開発を、また2022年11月からジェダイトメディスン(株)の品質アドバイザーとして医薬品上市を支援中。
医薬品の開発から上市・保管・流通までを品質の側面から一貫した経験を活かし、GMDPコンサルタントとしてGood Practicesの支援依頼に対応中。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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