医薬品のモノづくりの歩み【第4回】

品質とコストのバランスを考える 

 前回では、医薬品製造における「モノづくり」の基本要素である品質(Quality)、生産性(原価Cost)、安定供給(Delivery)の相関性は、一つの要素を高めようとすると他の要素のレベルが低下するような、それぞれが相反し合うものではなく、むしろ、各要素が相乗効果で共にレベルが向上すると言う「モノづくり」の視点で捉えることが大切であることに触れました。(図―1)
 この基本要素をバランスよく高めて行くと言うことは、何を意味しているのか、品質とコストのバランスに焦点を当てて、具体的な事例を上げて考えてみたいと思います。

図1 モノづくりの基本要素の関係

 ここで、取り上げる「品質」とは、どの製品も期待通りの薬効が得られること、
製品の均一性や外観が美しいことなど、「製造によって生み出される品質」とします。一方、「コスト」は、製造において安定した品質を得るために投入される投資であり、また、品質が安定化することにより得られる収率ロスや時間ロスの低減レベルとします。

では、まず、医薬品の品質について考えてみましょう。
医薬品の品質は、どの製品も薬効が期待通り得られている本質的な品質が、目で見えないことから特に重要なことと言えます。
医薬品は複数の工程を経て製造されます。最終的には、どの製品にも主成分が処方通り配合されていること、経口剤では消化管内で速やかに溶出することなど、含量試験や溶出試験などの品質試験によって製品の品質が適正であることを確認しますが、品質は、製剤バルク製品や最終製品の品質試験だけで保証されるものではなく、「モノづくり」の基本である「品質は、一つひとつの工程で作りこんでいく」と言う姿勢が大切です。(図―2)
 

図―2 「モノづくり」における品質の考え方

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