医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第16回】

国内製薬企業の「EHS のDue Diligenceで企業価値を高める」

1、    製薬企業のあるべき姿
製薬企業がグローバル化を進める中で最近の国内法規制はM&Aの影響かもしれませんがEHSに係る規制が厳しくなってきました(別表1)。企業の資産を健全に運用してゆくために法規制が厳しくなることで環境問題のリスク低減対策費が資産を食いつぶすことのなきようDue Diligence であらかじめ資産評価をしておくことが重要な時代になりました。筆者は、すでに突入しているM&A時代に企業を救える対応をアドバイスしております。今回はこの機会に一部ご紹介して会社上層部の意識改革を促すことを目的にEHSのDue Diligence を記事にしておきたいと考えたました。医薬品製造会社は原薬製造、固形・液剤製造、包装・検査などの業務を自社資産の土地で業務を行っていると思います。昨今は日本国内もM&Aが頻繁に行われていて、日本国内も海外も関係なく、事業統合が繰り広げられています。大切なのは統合を仕掛けた会社がどのタイミングでDue Diligence を実施したかが重要です。又、会社株価や会社固定資産、有価証券、銀行預金、人材、財務上の留保金額、その他誰にでもわかる調査項目はどこでもやっているのですが、土壌汚染、地下水汚染、排気ガス、排水処理、廃棄物処理、空気、水、その他環境問題にかかる評価により、法律規制に違反している項目があった場合、基準値以内に改善対策する費用を土地評価額から差し引く作業を統合前に行うことが重要です。何故なら、空気、水、地下水、土壌汚染など有害な健康への影響を及ぼすリスクや安全でない状況に対処するため各種法律が改正され、どんどん厳しくなってきています。又、医薬品工場の土地は土壌汚染のリスクが大きく、結果地下水への影響も懸念されていることを行政がわかっているかの如く環境基準値を厳しく規制しています。土地の売却、譲渡を繰り返すことで土壌や地下水調査を義務付け報告が求められています。違反があると罰金が課せられますので、その前に調査を行い、信じられないくらい厳しい環境基準値を逸脱している化学物質項目については土壌浄化、除染など大金を使用して行わざるを得ません。土地売却価格より、汚染浄化費用が大きくなり、M&Aの失敗に至ることもあり得る状況です。Due Diligence は対象土地の過去の使用履歴から化学物質の資料実績を洗い出し、すべての化学物質について分析調査を行い、環境基準をクリヤーしているか否かを評価します。逸脱可能性が大きいので、必ずやこのEHS担当者費用、調査会社外注費用、浄化工事費用を算定して対策総費用を売却概算見積に引き当てることで減額分を考慮して、この土地資産の価値を再評価行います。製薬会社の工場長さんはこの程度のことがすでに準備できていないとこれからのグローバル化時代に対応できませんね。会社の所有権となっている土地の評価額は誰でも知っています。インターネットでもわかる時代です。是非工場長さんはEHSのDue Diligence を今すぐ検討しておき会社のグローバル化に対応出来る様、先手を打って頂くようお勧めします。その結果、数年後にはDue Diligenceのお陰で会社の大きな資産価値を高めてくれるでしょう。
 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます