医薬品品質保証こぼれ話【第37回】

機器の維持管理と品質確保

人は加齢とともに身体のあちこちに不調を来すようになりますが、それに対し、適度な運動やマッサージ、また、休暇をとって身体を休めるなど、様々なケアを行いながら健康の維持に努めます。こういたケアを早め早めに行うことにより、良好な状態を少しでも長く維持することが可能となり、結果として健康長寿にもつながっていきます。一方、こういったケア、すなわち“メンテナンス”を行わず、ちょっとした不調でもこれを放置すると、生活習慣病をはじめとする様々な病気に罹り、ついには、取り返しのつかない状態を招くことになります。医薬品製造に使用される設備機器もこれと同様に、メンテナンスを怠ると様々なトラブルを招き、その結果、医薬品の品質確保や安定生産に影響を及ぼし、時には重大な問題を引き起こすことになります。

医薬品の製造には多種多様な設備機器が使用されていますが、これらを正常に維持することの重要性は「薬局等構造設備規則:第二章 “医薬品製造業”」において、医薬品製造業の許可要件として設備機器に関する要求事項が詳しく規定されていることからも理解できます。製造に使用される設備機器にトラブルが生じ工程が止まると製造が継続できなくなり、また、些細な問題であってもそれが放置された状態で生産が続けられた場合、その先で大きなトラブルが発生する可能性があります。こういう事態を避けるために製薬工場においては、設備機器の点検や保守に関する手順が一連のGMP文書の中に規定され、それに基づいて点検、保守、つまり“メンテナンス”が行われています。これによって、設備機器の正常な稼働が維持され、ひいては、医薬品の生産と品質の安定確保につながっています。

このことは同時に、これら設備機器の点検等に携わる技術者の知識や技術のレベルが、一定の水準に保たれていることの重要性を示唆しています。従って、この種の業務を行う技術者については、製造や試験業務に携わる者と同じように教育訓練が行われ、必要な知識と技術を持つ者のみが当該業務に従事できるという“資格認定制度”の下で資格化されることが望まれます。特に昨今はコンピュータ化が進み、あらゆる機器がコンピュータにより制御されていることから、その機器の取り扱いに関しIT(Information Technology:情報技術)を含む専門的な知識を習得し、トラブル発生時の対処方法を含めて過不足なく操作できることが求められます。

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