エッセイ:エイジング話【第26回】

 ハンコ廃止宣言に一言

 河野行政改革担当大臣は、2020年9月就任早々に行政手続きでの押印を見直すと、各省庁へ「ハンコ廃止」を発信しました。
 祖父は、私が二十歳になるときに象牙の印鑑をつくってくれました。父は社会人になるときに黒檀の印鑑をつくってくれました。銀行印や実印として、これまで継続して使ってきました。

象牙の印鑑 
                          黒檀の印鑑
 


 2020年4月に首都圏などへ緊急事態宣言があり、公共交通手段での移動が制限されテレワークが始まりました。
テレワーク:インターネット回線を使って自宅で業務を行う働き方
 テレワークを妨げる要因が1つありました。会社で書類が発行されるとき、必ず押印が必要なしくみがあります。しかるべき人が、作成・検証・承認した「あかし」が後の会計監査やISO査察に必要だからです。
 よって、テレワーク中でも押印のためオフィスへ移動が必要でした。出勤簿がオフィス入口にあった時代、遅刻しそうな時には公衆電話から同僚に頼むと、内緒で押印してくれる懐かしき時代もありました。
 会社で業務改善部署が「ハンコ廃止」を掲げても、取引先と監査法人の了承が必要で直ぐには進みません。市役所へ本人が出向いても、その場で押印しないと本人申請とは認められません。他人に委任するときも、押印により本人であると認識するしくみだったのです。
 河野大臣は、「ただ押すだけの印鑑」は全面廃止にし、この先に書類やFAXも廃止し「電子ファイル」にすることにより、行政手続きの無駄をなくし「効率化」が進むと宣言されました。

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