小林化工のクラスI自主回収について、品質保証の観点から考察【第1回】

品質問題で死亡者が出たのは、原薬ヘパリンに意図的な混入とエチレングリコールに意図的なグリセリン表記ぐらいです。今、問題になっているNDMAでは健康被害の報告もありません。表示の間違いやコンタミでもこれまでこれほどの健康被害や死者がでることはありませんでした。GMPを遵守していれば、起きようがないはずです。しかし、起きていますので、謙虚に調査して対策に生かすことです。そして、それは該当会社だけでなく、他の会社にも類似のリスクがないかどうか検証することが必要だと思います。
 今後詳細な報告が待たれることですが、今出されている情報から考察してみます。

・原料を投入する作業が、社内規定に反して、1人で行われていた。
 SOPでは二人作業で行うことになっていますので、製造指図記録も二人が行ったことになります。そうすると製造指図記録を偽造していた可能性があります。あるいは製造指図記録が1人でもわからないようになっていると、それは製造指図記録のフォーマットが適切でなかったことになります。
 厳しい生産スケジュールがあったのかもしれませんが、SOP違反は犯罪行為と認識することです。いくら厳しくてもSOP違反を起こすと、起こした人は犯罪者(SOP違反は犯罪行為と理解)になってしまいます。

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