小林化工のクラスI自主回収について、品質保証の観点から考察【第1回】

2020/12/18 品質システム

品質問題で死亡者が出たのは、原薬ヘパリンに意図的な混入とエチレングリコールに意図的なグリセリン表記ぐらいです。今、問題になっているNDMAでは健康被害の報告もありません。表示の間違いやコンタミでもこれまでこれほどの健康被害や死者がでることはありませんでした。GMPを遵守していれば、起きようがないはずです。しかし、起きていますので、謙虚に調査して対策に生かすことです。そして、それは該当会社だけでなく、他の会社にも類似のリスクがないかどうか検証することが必要だと思います。
 今後詳細な報告が待たれることですが、今出されている情報から考察してみます。

・原料を投入する作業が、社内規定に反して、1人で行われていた。
 SOPでは二人作業で行うことになっていますので、製造指図記録も二人が行ったことになります。そうすると製造指図記録を偽造していた可能性があります。あるいは製造指図記録が1人でもわからないようになっていると、それは製造指図記録のフォーマットが適切でなかったことになります。
 厳しい生産スケジュールがあったのかもしれませんが、SOP違反は犯罪行為と認識することです。いくら厳しくてもSOP違反を起こすと、起こした人は犯罪者(SOP違反は犯罪行為と理解)になってしまいます。

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執筆者について

脇坂 盛雄

経歴 1979年エーザイ株式会社入社、9年間、品質管理と21年間、品質保証を担う。
専門領域はGQP品質保証、注射剤及び固形剤の異物対応、品質リスクの発見と低減対応 ・医薬品/食品の表示校閲、製品回収リスク回避対策 ・逸脱/苦情対応、変更管理(一変/軽微変更)対応。品質保証責任者(品責)、統括部長および理事を歴任し、2013年9月末に退職。
現在は企業のコンサル・顧問を行う傍ら講演会講師、書籍執筆などを精力的に行っている。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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