現場管理者・監督者へのメッセージ(GMPの3原則から)【第9回】

2015/02/09 品質システム

"6.3.各論(3)設備から汚染
6.3.1.設備から汚染:設備の共用化

 設備を専用化出来るほどの生産量が無く共用設備を使用する製剤品は、品目切替えによる交叉汚染の防止が重要となる。 ここでは、固形製剤の生産計画の立て方について少し触れておきたい。多くの製造所ですでに実施されていると思うが、「同一品目」や「同種で異Doseの品目」の生産キャンペーンを出来るだけ長くし共用設備の製造エリアにおける「秤量⇒荷揃⇒造粒⇒混合⇒製錠」など各工程の作業が同一/同種品目で占有される状態をできるだけ長く保つように配慮したい。
 さらに、同一薬効で用量(Dose)の異なる製剤品を順次製造する場合、低用量(Dose)から高用量(Dose)への順で段階的に変えていくように、また単剤から合剤への順に変えて行くように配慮したい。

(例)良い品目切替え:○2mg⇒4mg⇒8mg⇒16mg、○単剤⇒同種合剤
   悪い品目切替え:×8mg⇒2mg⇒16mg⇒4mg、×合剤⇒同種単剤

 異なった用量(Dose)の交叉汚染は当然ながら絶対にあってはならないことであり、「徹底した品目/ロットの切替え作業管理がなされること」が大前提で本来指向すべき対策である。しかし、誤解/非難を恐れずにいえば、「用量(Dose)の切替え処理が不適切で、前ロットの異なる用量(Dose)からの微量の汚染が生じ、しかもそれに気付かなかった」といった"通常ではありえない"リスクにも配慮しておくためである。
 "

4ページ中 1ページ目

執筆者について

小坂井 宏

経歴 1971年武田薬品工業(株)入社。製剤化技術検討や、国内工場の製造部門・品質管理部門で製造技術・バリデーション・GMP管理・FDA査察対応などの職務に従事。工場 製造部長・製剤部長、製薬本部 品質保証部長、武田アイルランド社長(海外工場)を歴任。2013年退職。
製造所のGMP管理(製造管理、品質管理、文書管理)の実践的対応、FDA査察の実践的対応を得意とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

16件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年7月2日(水)10:30-16:30~7月3日(木)10:30-16:30

門外漢のためのコンピュータ化システムバリデーション

2025年8月21日(木)10:30-16:30

GMP教育訓練担当者(トレーナー)の育成

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます