製薬企業における設備保全の今後のあり方についてGMP視点から考える(10)

GMPでは、すべてのプロセスで文書化が重視されている。どのような文書体系を作るべきかしっかりと把握して整備必要がある。ここでは、主体となる「設備保全遂行方針書」、「設備保全実施計画書」、「設備保全点検手順書」の個々の内容について述べる。これらを通じて、GMP遵守の習慣づけが行われるとISPEメンテナンスガイドが必須レベルとしている"Good Practice"レベルに近づくことになる。
 

1.GMPでの文書化規定
 医薬業界においての設備保全が、製品の品質維持・向上や、製造プロセスの信頼性に大きな影響を与えることは、これまで度々強調してきた通りである。CFR211.67,180,182で、設備保全の必要性を規定しており、GMPの観点から設備保全を見直す事は必須である。また、ISPEメンテナンスガイド(ISPE Good Practice Guide:Maintenance)では、"Basic Practice"、"Good Practice"、"Best Practice"といった括りで、設備保全とGMPの関わりを明確にして、"Good Practice"レベルを達成し、さらに"Best Practice"を目指すことを推奨している。本記事では、設備保全戦略や保全計画をどんな形で具体的に立案し文書化していけば良いのかを、執筆グループの過去の経験とISPEのガイドラインと照らし合わせて説明する。

設備保全業務での戦略や計画の立案においては、体系化した3種類の文書が必要である。

一つ目が「設備保全遂行方針書」である。設備保全の戦略、戦略の前提となる目的と目指すべき方向、管理の仕組みの全容、品質管理方針などを盛り込む。また、GMPに関係する設備や機器を中心に、管理対象とする設備・機器について選定し記述する。二つ目が「設備保全実施計画書」である。「設備保全遂行方針書」の戦略と取り組み方針のもとで、関係部門と連携しながら実施計画を展開して作成する。三つ目が、「設備保全点検手順書」である。保全対象の設備・機器ごとに、点検手順を具体的に記述して、点検の実施内容を明確にする。設備・機器、個々について、P:計画、D:実行、C:評価、A:対策を効果的・効率的に進行させ、記録し、履歴が解るような手順にする。
 

図1:戦略段階、計画段階での3つ文書

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