製薬企業における設備保全の今後のあり方についてGMP視点から考える(1)

 (株)シーエムプラスでは、医薬品製造プラント建設のプロセスへの支援のみならず、そのライフサイクルを強く意識して、保守・改修・増強等のプロセスへの支援の在り方についても具体的な対策を検討している。ここでは、設備保全や管理法の改善を支援してきたこの数年間の経験を背景にして、設備保全業務における現状を確認しながら、GMPの視点から、設備保全の今後のあり方について、我々の見解を展開する。
 
1.はじめに
 製薬業界は、グローバルな厳しい競合環境の中で、様々な取り組みを行っている。しかし、その中にあって、設備保全とその管理業務については、ともすれば地味な存在となりがちで、他の業務領域を比較して軽視されているように思える。経済的評価側面でも価値を生む投資対象としての認識からはほど遠く、できる限り少なく済ませたいコスト費消の余分な業務扱いになっているように感じる。
 設備保全に対する対策上の油断は、時にビジネスにとって予想以上のリスクとなって降りかかることがあり、より慎重な取り組みが必要と考えられる。すなわち、設備保全はビジネス価値を下げないための投資の一環であるとの考え方に立って、万一のリスクを慎重に分析し、如何にしてミニマムの投資で最大効果を生み、リスク回避に対応できるかを考え直す必要があると思われる。
 製造業の設備保全業務は、既にどの会社でも徹底した経済的合理化対策を実施しているが、さらなる経済性追求への要請に応え、様々なリスクへの事前対策も経済的に有効な投資とすることを要求され、この両立に、頭を悩ましているのが現実である。
 運転面での稼働ロスを発生させるリスクやビジネス継続を妨げるリスクは、安全、品質、環境面で維持・向上を妨げるリスクと密接に関係しており、その事前防止策への投資の程度の見極めに、かなりの工夫を要するが、経済性のみを優先させると、これらのリスク発生確率を高めることになり、リスク発生がビジネス価値の危機状態に繋がるケースを回避できる的確な事前対策が必要とされている。
 
図1:設備保全業務は持続的成功に向けての重要な機能の一部
 
 製薬業界においてもその傾向は、例外ではないが、医薬品等の製造設備は、他の製造業とは異なり、生命関連産業としてGMP規制下で製品の品質保証を厳しく求められていることから、設備保全管理業務においても、この視点を優先し、品質の維持・向上を軸にリスク分析を行うと共に、安全面や環境面でのリスクを加味して、ビジネスにどのように貢献するかを追求することが有効である。
 "リスク事前回避を内包する最良の設備保全業務"を目指すという方針が明確であれば、経済性とリスク回避・防止との両立ポイントを明確に見出すことができるはずである。

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