厚労省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」の要点(4)

4.新ガイドラインとその解説
 新ガイドラインにおける重要な項目について以下に説明を加えた。より詳細な解説については日薬連から発行される解説書を参照して頂きたい。
 
1. 総則
1.1 目的
このガイドラインは、「コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン」(平成4年2月21日薬監第11号:平成17年3月30日付薬食監麻発第 0330001号により廃止)に代わるものとして、「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(平成 16年厚生労働省令第179号。以下「GMP省令」という。)の適用を受ける医薬品又は医薬部外品を製造販売する製造販売業者又は製造する製造業者等(以下「製造販売業者等」という。)が、「医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理の基準に関する省令」(平成16年厚生労働省令第136号。以下「GQP省令」という。)及びGMP省令に基づく業務を行うためのコンピュータ化システムの要件を明確にし、コンピュータ化システムが意図したとおりに動作することを保証するため、これを開発する際に必要な事項、これを検証するバリデーションに関する事項及び運用管理に関する遵守事項(バリデートされた状態の維持や廃棄に関する事項等)を定め、GQP省令及びGMP省令の適正な実施の確保を図ることを目的とする。
このガイドラインにおいては、コンピュータ化システムの開発から、検証、運用管理及び廃棄までの流れを総合してコンピュータ化システムのライフサイクルという。ライフサイクル全体の構成を別紙1「コンピュータ化システムのライフサイクルモデル」に示す。また、このガイドラインに示した管理方法は標準的な例を示したものであり、これに代わる方法で、それが同等又はそれ以上の目的を達成できるものである場合には、その方法を用いても差し支えない。
 
 平成22年10月21日に厚生労働省より新ガイドライン(薬食監麻発 1021 第 11 号)が発出された。新ガイドラインは「コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン」(平成4年2月21日薬監第 11 号:平成17年3月30日付薬食監麻発第 0330001 号により廃止)に代わるものとして位置づけられている。
 
 新ガイドラインの適用対象はGMP省令およびGQP省令が適用される医薬品又は医薬部外品の製造販売業者等である。従って、GQP省令の対象とされている化粧品や医療機器については、本ガイドラインの直接的な適用対象ではない。
 
 このガイドラインの付属資料として別紙1に「コンピュータ化システムのライフサイクルモデル」が示されている。コンピュータ化システムの開発から、検証、運用管理及び廃棄までの流れを図式したものであり、ガイドラインの各項目に対応した取組みが記述されている。中心部分は GAMP4の V-モデルを参考にしているもが CSV 活動の全体が図式化されてわかりやすい。
 
 また、このガイドラインに示した管理方法はあくまでも一例を示したものであり、GAMPガイドやFDA・EUの指針等で、それが同等又はそれ以上の目的を達成できるものであれば、それらに従って取組んでも差し支えない。企業においては何に基づいて取組むかをコンピュータ管理規定において明確にする。また、新ガイドラインは2012年4月1日から施行されており、旧ガイドラインを基準としている場合は、速やかに新ガイドラインへ移行しなければならない。

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