【最近のFDAウォーニングレター4通】ASTROM通信<113号>

株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。

本稿は【2017.01.05】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー


明けましておめでとうございます。
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
さて今回は、昨年のASTROM通信111号で取り上げた後、米国食品医薬品局(FDA)の製品品質オフィスから発行された4通のウォーニングレター(Warning Letter)について、その概要を確認していきたいと思います。
 
最後までお付き合いいただければ幸いです。
 
 
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4通のウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-17-06
 中国の製造所の原薬製造における重大なCGMP違反に関する2016/11/10付
 ウォーニングレターにおいて、下記の指摘事項があげられています。
1.OOS(Out-Of-Specification)の結果の、手順に従った適切な調査と文書化の不履行及び適切な是正処置の不履行
貴社は、ヘパリンのポリメラーゼ連鎖反応(Q-PCR)試験において、試験結果が制定した規格の上限を超えた時、正当な理由もなく繰り返し再サンプリングと再試験を行った。
その結果、OOSの可能性のあるヘパリンを米国市場向けヘパリンナトリウムの製造に使用した。
貴社は、最初のサンプルのOOSも、最初のサンプルを使った再試験も評価せず、合格が得られるまで再サンプリングを行った。
2.貴社の原薬が制定した品質・純度の規格に確実に従うために行うテストの手順が科学的に理にかなっていて適切であると保証できていないこと
査察官は、受け入れたヘパリンのバッチが反芻動物DNAで汚染されているか判断するためのポリメラーゼ連鎖反応(Q-PCR)の手法をレビュし、その方法のバリデーションに不備があることを確認した。
3.ヘパリン供給者の適切なモニタの不履行
ヘパリン供給者の適格性評価プログラムの一部として、貴社は、供給者となる可能性のある業者から、テストのために原料のサンプリングをし、テストが不合格であればその業者を使わなかった。
しかし、すでに適格性評価をした供給者がテストに失敗した原料を提供した時、貴社は原料を拒絶せず、供給者の適格性評価のステイタスを再評価することをしなかった。
貴社の品質部門が全ての供給者の選定の決定をし、供給者の適性と能力を保証するための供給者の適格性評価のステイタスを継続的に行うことは危険である。供給者の悪い情報があった場合は、供給者の資格剥奪が必要であるかもしれない。
4.品質部門により全ての重大な逸脱が調査され解決されることが確実に行えていないこと
査察官は、ヘパリンの過硫酸化コンドロイチン硫酸(OSCS)のHPLC分析をレビュし、ヘパリンの標準の試験とシステムの適合性試験は別々に実施されたことを発見した。
貴社の従業員の一人は、分析者が、最初のサンプリングの作業中に、システムの適合性試験をしなかったことに気付いたと説明した。分析者は、関連するサンプル試験の結果を無効にする代わりに、システムの適合性試験を再実施した。
HPLCシステムの適合性試験の失敗は、同じ装置で実施されたOSCS試験の正当性に疑問を投げかける。
http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2016/ucm530369.htm

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