再生医療等製品の品質保証についての雑感【第47回】

第47回:バリデーション設計の考え方 (3) ~ 再生医療等製品におけるバリデーションの条件


はじめに
 今回は、再生医療等製品(細胞加工製品)に関わる、バリデーションの定義およびその要件について、整理をしておこうと思います。最終製品のCQA(重要品質特性)を決定できなければバリデーションができませんが、GCTP省令では、バリデーションまたはベリフィケーション(第14条)の記載があります。これはどういう意図なのか、あらためて確認したいと思います。

● バリデーションとベリフィケーションに関する本来の定義
 薬機法においてバリデーションとは、「製品を製造する工程や方法が正しいかどうかを検証するための一連の業務。科学的根拠や妥当性があるかを調査する」ことであり、科学的なエビデンスをもとに、製品を恒常的に製造するための妥当性を与えることを「予測」することです。具体的には、開発中も含め、製品が要求仕様を正しく反映しているかについて複合的に確認する、工程設計の評価となります。
 バリデーション活動においては、ベリフィケーションによる評価を用います。ここでのベリフィケーションとは、本来、「期待する結果(値)を与えたことを確認」することを意図し、得られた結果が適合あるいは不適合(○か×か)を判断するものです。すなわち、製品をベリフィケーションして適合であれば、その製品は要求仕様を満たしていることは確認できますが、あくまでも独立した評価です。設計を評価するものではなく、評価を行った対象のみに合理性が与えられます。
 上記より、もともとバリデーションとベリフィケーションは、「バリデーションあるいはベリフィケーション」と並び立つものではないと認識します。では、GCTP省令第14条のベリフィケーションとは、どのような意図で示されているのでしょうか。

 



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再生医療等製品の品質確保と工程バリデーション・ベリフィケーションのポイント
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