オーナーのプロジェクトマネジメント【第18回】

 今回より検証ステージについて記載するが、今回はコミッショニングを主体に記載し、次回にクオリフィケーションとの関連について記載する。
 
参考 以前に記載した記事の目次
 1.  はじめに
 2.  プロジェクトステージの概要
 3.  何をマネジメントするか
 4.  プロジェクト計画に関連する主要な問題点
 5.  プロジェクトマネジャーの役割と責務
 6.  プロジェクトマネジャーの資質
 7.  プロジェクトで使用することば
 8.  外部への依頼範囲
 9-10. FS(Feasibility Study)ステージ
11-13. 基本計画(概念設計)ステージ
14-16. 基本設計ステージ
 17. 発注方式
 18-19. 詳細設計ステージ
 20-21. 製作・施工ステージ

22. 検証ステージ【その1】
 検証はプロジェクトの最終の関門であり、要求や計画したことが具体的な姿、機能、性能となっているかを確認する重要なステージであり、計画どおりに生産し、予定した製品を製造するための礎となる。
 第1回の表1に記載したが、検証ステージとは製作・施工した結果を、予め規定された契約、仕様、性能通りであるかを確認する段階である。前ステージでの未実施検査、運転開始と作動調整、試運転とか、プレコミッショニング・コミッショニング・クオリフィケーション(バリデーション)、あるいはベリフィケーションといった用語で表現される作業が行われる。
 第17回にも記載したが、製作・施工のステージと検証ステージとの区切りは、企業などによって異なるが、ここではISPE日本本部EM COPでは以下のように定義しており、本稿ではそれに従う。
現地工事終了とは:現地における建築、機器据付、配管、空調、電気、計装、システム、塗装、断熱、掃除片付け等、それぞれの工事が終了した時点をいう。ウォークダウンが終了し、予め規定されたパンチリストの残件を除いて終了していること。また、中間検査に関する検査/試験記録のレビューが終了していること。現場の片付け清掃が終了していること。 現地工事に対する最終的な各検査試験は現地工事検査のカテゴリー(検証のステージ)に含む。

(1) 検証計画
 第15回の19(8)に記載のC&Qプラン(Commissioning & Qualification Plan)に沿って、検証の詳細な計画が策定される。一般的には、検証の計画のほとんどは、製作・施工ステージで行うことになるが、一部のものは設計段階や検証ステージ入ってから計画するものもある。主な計画には以下のようなものがある。
  ・検証スケジュール
  ・検査体制表
  ・各種工事検査要領書
  ・試運転準備計画
  ・コミッショニング計画書(コミッショニングプロトコール)
  ・クオリフィケーション(IQ, OQ, PQ)プロトコール
  ・バリデーションプロトコール
  ・教育訓練計画
  ・検証ステージ期間の保全計画(特に試運転期間の長い場合の保全)

(2) 現地工事検査
 現地工事終了後に行われる工事の完成度の確認のための、GEPに基づく静的検査試験(一部には動的も含む)であり、プレコミッショニングとも言われる。現地工事検査の結果をIQに参照することを、前述のC&Qプランで宣言しておれば、IQの参照先としても使用できる。サブコントラクター、コントラクターの独自の検査試験からエンドユーザーの立会による検査試験を含む。主な項目としては
  ・ウォークダウンでのパンチリストの終了確認
  ・機器/計器等の仕様確認
  ・工事検査試験の記録等のドキュメントレビュー
  ・材料証明書、不動態化記録証明書、溶接記録証明書、
   HEPA証明書等のドキュメントレビュー
  ・漏れ検査、耐圧検査、フラッシング/清掃検査
   (工事後の清掃確認であり医薬品が生産できる程度の
     クリーンさを意味してはいない)
  ・据付芯出し、配管勾配
  ・電気計装ループチェック、絶縁・接地試験
  ・通電による各種検査試験
  ・キャリブレーション
  ・その他
 

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