WFI製造プロせすへの思い【第10回】
1. UF使用目的
UFによるPyrogen フリー水を製造する目的は2つありました。
1つ目は、注射剤調整タンク洗浄水として無菌でありPyrogenを含有しない水が求められる用途であります。この製薬用水は、JPの上では「滅菌精製水」と位置付けられますが、一般にPyrogenフリー水と呼ばれました。2つ目は、蒸留器への供給水と位置付けされ、これは蒸留器を経由してWFIとなります。
2つ目が本稿で話題とする使用目的であり、蒸留器がイオン交換水に残留するPyrogenを除去する性能に対して疑問視した、日本の製剤技術者によって考案されました。
Pyrogenをできるだけ蒸留器の前段で低減させ、Pyrogenフリー水を蒸留器へ供給するためでした。日本ではこのような手堅い方式が採用されました。
2. UFとは
UFは分画分子量膜として他の膜とは区別され、一定の分子量よりも大きい物質は、UF一次側に留まり、一定の分子量より小さい物質は、膜二次側へ透過します。Pyrogenを分離するためには、分画分子量6000が使われます。
また、このUFは連続通水が原則であり、停止した時は、膜一側および二次側を熱水殺菌することが前提条件であります。
ROでは連続して無菌水を製造することができなかったが、このUFによって無菌でかつPyrogenを含有しない水=WFIを、連続して製造することが達成されました。
3. FDA関係者の講演とUFに対する非難
日本でこのUFが使われ始めた頃、FDA職員が、この事実を非難する内容の講演を行った記事が品質管理雑誌に掲載されました。その詳細は次稿で触れることにします。
UFによるPyrogen フリー水を製造する目的は2つありました。
1つ目は、注射剤調整タンク洗浄水として無菌でありPyrogenを含有しない水が求められる用途であります。この製薬用水は、JPの上では「滅菌精製水」と位置付けられますが、一般にPyrogenフリー水と呼ばれました。2つ目は、蒸留器への供給水と位置付けされ、これは蒸留器を経由してWFIとなります。
2つ目が本稿で話題とする使用目的であり、蒸留器がイオン交換水に残留するPyrogenを除去する性能に対して疑問視した、日本の製剤技術者によって考案されました。
Pyrogenをできるだけ蒸留器の前段で低減させ、Pyrogenフリー水を蒸留器へ供給するためでした。日本ではこのような手堅い方式が採用されました。
2. UFとは
UFは分画分子量膜として他の膜とは区別され、一定の分子量よりも大きい物質は、UF一次側に留まり、一定の分子量より小さい物質は、膜二次側へ透過します。Pyrogenを分離するためには、分画分子量6000が使われます。
また、このUFは連続通水が原則であり、停止した時は、膜一側および二次側を熱水殺菌することが前提条件であります。
ROでは連続して無菌水を製造することができなかったが、このUFによって無菌でかつPyrogenを含有しない水=WFIを、連続して製造することが達成されました。
3. FDA関係者の講演とUFに対する非難
日本でこのUFが使われ始めた頃、FDA職員が、この事実を非難する内容の講演を行った記事が品質管理雑誌に掲載されました。その詳細は次稿で触れることにします。
ROは米国で製薬用水製造単位機器として認識されていましたが、UFは正しい認識がなく、ただ、ROよりも、ろ過精度が劣る膜と彼らは考え、UFによってWFIに匹敵する水が、日本で製造されている事実が不思議でならなかったようです。
4. 米国における一般認識
当時、米国においては、無菌かつPyrogenが存在しない、WFIに匹敵する水を製造できるUFは販売されておりませんでしたから、前述したFDA職員のUFに対する非難も致し方ない面もあると思います。
その後、FDAによる日本国内の製薬会社での査察が進むにつれ、Pyrogen除去が確実にできるUFが次第に認識されてゆきました。
筆者は、米国に親会社がある日本法人の製薬会社へこのUFを納入するに当たり、米国から来日された技術者に対して、この膜を採用する旨を、丁寧に説明し納得してもらった経験があります。
一般に、技術者どうしは言葉が違っても、現場で仕事をしていれば、意思疎通が図れますが、行政サイドの方々が、新しいモノを認識されるには時間がかかることが多いように体験上思います。
コメント
/
/
/
コメント