現場の問題解決に役立つQC的考え方【シリーズ-8】
シリーズ-8「再発防止」
現場の問題解決に役立つQC的考え方のシリーズ8は「再発防止」です。問題を折角解決しても同じような問題が再発しては、問題を解決したとは言えません。問題解決の手順(QCストーリー)の最終ステップである「標準化と管理の定着」がうまくなかったのです。今回は再発防止について述べたいと思います。
1.再発防止がうまくいかない原因
原因は3つあります。
1つ目は、なぜそのトラブルが発生したのか?の原因追究が不十分であった。
2つ目は、再発防止の標準化が守れない!などの何らかの不備があった。
3つ目は、教育訓練(知識・技能)と態度教育に不備があった。
などがあげられます。図表-1は再発防止のフロー図ですが、トラブルが発生した真の原因を追究したことが前提条件になります。再発を防止するとは、原因を徹底的に究明して、その原因を取り除くことをいい、原因とは表面に見える表層的な原因ではなく、深層に潜む根本的な原因(真の原因)のことを言います。そして、その根本原因を除去することを「再発防止」と言います。
これに反し、発生した問題の原因究明が甘く、問題を表面的に捉えてしまうと、確かな再発防止はできません。また、再発防止の考えの根底には、仕事のやり方や仕組みといったものを継続的に改善するという考え方があり、即座には効果が見えにくいものも改善を積み重ねることにより、問題は解決されていきます。
図表-1 再発防止のフロー図
2.トラブルの発生原因は4M+1E
4M+1Eとは、人(Man)・方法(Method)・材料(Material)・機械(Machine)と教育(Education)の頭文字をとったもので、原因追究の解析で根本原因と仮説を設定する際のカテゴリーとしてよく使われます。
トラブルの原因は1つではなく、幾つかの原因が重なって発生します。例えば、ヒューマンエラーも「人」のみが原因ではありません。仕事の方法や使われた材料はどうであったのか、機械はヒューマンエラーを起こしやすい状態になっていなかったか、標準書に基づく教育訓練は十分に実施されていたかなど、幾つかの原因が重なっていれば全ての原因を排除しなければ再発防止とは言えません。
実際にヒューマンエラーで、人(作業者)の責任でエラーを起こした事例でも、4M+1Eで解析してみると、作業が複雑、設備の可視化・色彩化が不足、教育訓練が不十分などで「ヒューマンエラーの防止」が進んでいないことが多い(図表-2参照)。
図表-2 4M+1E解析事例
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