現場の問題解決に役立つQC的考え方【シリーズ-3】

現場の問題解決に役立つQC的考え方

シリーズ-3「現場第一線で起こっている諸問題」
 シリーズ-1では、QC的考え方について、シリーズ-2では、問題解決について述べた。シリーズ-3では、現場第一線で起こっている諸問題について述べる。
 現場で起こっている問題は数え挙げたらきりがないほど多い。例えば、設備故障が多い、不良品が多い、ムリ・ムラ・ムダが多い、納期遅れがある、クレームが多い、製造原価が設計時に比べて高いなどである。これらの問題は、職場の5大任務(Q品質、C原価、D納期、S安全、M職場の士気において果すべき役割)を理解している職場においては、問題を問題として取り上げ改善活動に結びつけているものと思います。
 シリーズ―3ではいろいろな視点からの問題を洗い出したいと思います。

1.職場の五大任務の視点からの問題
 これは先に述べた通り、職場の任務は品質の維持向上、原価を低減する、納期を守る、安全を確保する、モラールを向上する、の5つを「職場の5大任務」といいます。この他に環境を守るなどもあります。職場を改善するためのテーマを考える場合、まず職場にどんな任務があるのかを考えてみる必要があります。改善活動の目的は、この一つひとつの任務を確実に達成させ、その結果としてお客様に満足してもらうことなのです。
 
1)品質第一、お客様最優先の職場づくり(Q)
 品質には、「製品」の質、「営業・サービス」の質、それを支える基盤として従業員一人ひとりの「仕事」の質があり、この3つが一体となったものが品質であり、これが確保されて初めて、お客様の信頼に応え得る製品・サービスになるということです。
 品質第一やお客様最優先は、品質管理部門や特定の部門だけでは解決できる問題ではなく、全部門・全階層が取り組まねばならない問題(課題)ということになります。一般的に各企業においては、「企業理念」や「経営理念」に表明し、各部門に展開しています。代表的なものとしてISO-9001(品質マネジメントシステム)やGMP (Good Manufacturing Practice)ISO/TS 16949(自動車業界向けの品質マネジメントシステム規格)による品質管理です。品質管理の基本である「基準のないところに管理は存在しない」という格言がある通り、この基準をもとに品質管理を進めています。
 ここで、ISO-9001とGMPの目的を再確認してみます。ISO-9001の目的は、単に「良い製品を作ること」だけではなく、「よい製品・サービスをつくる(提供する)ためのシステムを管理すること」です。一方、GMPの目的は「人による間違いを最小限にする、医薬品が汚染されたり品質が低下するのを防ぐ、高い品質を保つ仕組みをつくること」です。ISOもGMPもお客様最優先の考え方が基本にあります。大事なことは、この考え方の「ルールを決める・書類にする・実行する・内容を見直し改善する」ことで、実施上問題があれば内容を見直し改善するということです(図表-1)。


図表-1 パレート図による品質問題の優先テーマの選定

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