基礎からのGVP【第3回】

GVPことはじめで述べたとおり、様々な経緯で現在のGVPに至りましが、この間、如何にして会社全体で信頼性確保に努めるべきであるかについても検討されてきた。安全管理業務を実施・管理する責任者として、GPMSPの市販後調査管理責任者から役割分担を安全管理業務に特化した安全管理責任者と、必要に応じ実施される調査・試験の実施・管理に特化した製造販売後調査等管理責任者が選任されることとなった。また、製造承認から製造販売承認に法改正が行われたことから製品の製造管理の基準(GMP:Good Manufacturing Practice)から、製造販売をするにあたり必要な製品の品質につき保証する基準(Good Quality Practice)に基づき品質保証の実施・管理に特化した品質保証責任者が選任されることになった。この安全管理責任者と品質保証責任者の二人により、製造販売後の医薬品に対する品質及び安全管理を遂行するために、それぞれの役割分担を明確するとともに、連携をとり円滑に進めていくことが求められた。そして、この二人の業務を製造販売業者になりかわり統括・監督する総括製造販売責任者が設けられ、製造販売三役としてより密な連携と円滑な運営を日常的に機能させる社内体制を構築し、情報(安全管理情報、品質情報)の収集から評価並びに適正な措置を講ずることとなった。会社全体として、製造販売する製品の信頼性の確保に努めることとなった。

1.製造販売三役の実務概略
製造販売後の医薬品に対する品質及び安全管理のために、それぞれの役割分担を明確するとともに、連携をとり円滑に進めていかなければならない。

(1)役割分担
1)総括製造販売責任者
資格要件として、医療用医薬品の製造管理、品質保証、安全管理業務を遵守するために必要な能力及び経験を有する薬剤師でなければならないとされている。(ただし、猶予規定あり。)
業務(責任)の範囲として、安全管理統括部門に対しては、安全管理責任者を監督すること、安全管理責任者の意見を尊重すること、安全管理責任者が、品質保証責任者及びその他の医薬品の製造販売に係る業務の責任者と密接な連携を図らせることがあげられる。品質保証統括部門に対しては、品質保証責任者を監督すること、品質保証責任者からの報告書に基づき、所要の措置を決定し、その実施を指示すること、品質保証責任者の意見を尊重すること、そして、品質保証部門と安全管理統括部門その他の品質管理業務に関係する部門との密接な連携を図らせることがあげられる。
さらに、品質管理及び製造販売後安全管理を公正かつ適正に行うために、必要があるときは、製造販売業者に対し、意見を書面により述べなければならないと規定されている。また、製造販売責任者に報告された資料は適切に保管しなければならない。

2)安全管理責任者
資格要件として、安全管理業務を遵守するために必要な能力及び3年以上の経験者でなければならないとされている。
業務(責任)の範囲として、安全管理統括部門の責任者であり、業務手順の細則を作成・管理しながら、安全確保業務を統括し、以下の業務を実施、管理する。そして、製造販売後安全管理を公正かつ適正に行うために、必要があるときは、製造販売総括責任者に対し、意見を書面により述べなければならないと規定されている。
 ・安全管理情報の収集・検討・管理
 ・安全確保措置の立案・報告、措置を決定及び実施の指示
 ・安全確保措置の実施・報告
 ・市販直後調査の策定及び実施の指示、実施・報告
 ・自己点検の実施・報告
 ・教育訓練の実施・報告
 ・その他必要な業務
(参考:品質保証責任者)
資格要件として、安全管理業務を遵守するために必要な能力及び3年以上の経験者でなければならないとされている。
業務(責任)の範囲として、安全管理統括部門の責任者であり、業務手順の細則を作成・管理しながら、安全確保業務を統括し、品質管理業務を実施、管理する。そして、必要に応じ製造販売後安全管理を公正かつ適正に行うために必要があるときは、製造販売総括責任者に対し、意見を書面により述べなければならないと規定されている。〔基礎から学ぶGQP 参照:https://www.gmp-platform.com/article_detail.html?id=4648 〕


 

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