医薬品製造設備の洗浄バリデーション【第2回】

3.Validationの一般要件と法規制
 洗浄バリデーションの基本コンセプトとしては、次の通りである。すなわち、「医薬品の有効性および安全性を確保するためには、承認された成分以外のものが含まれていないことが必須である。そのためには、製造環境からの異物を混入させないこと、および製造設備に付着した残留物を次に製造する品目に混入させないことが重要である。製造の残留物の次製造品目への混入は、全ての設備・機器を洗浄し、清浄化することにより防止できる。」
 
3.1 洗浄バリデーションの概要
 洗浄バリデーションの概要を下表に示す。効果的で科学的合理性のある洗浄手順を設定し、3回のバリデーション実施により検証する。対象設備、対象物質、洗浄方法、サンプリング方法、定量方法、残留許容限度値等の事項について事前に科学的な検討を行う必要がある。研究開発、実生産化の過程で、これらの事項が予め調査検討されている場合には、その基本データを活用すること。
 特に特殊な医薬品・治験薬(例えば、β-ラクタム系抗生物質、ホルモン剤、抗癌剤等のケミカルハザード物質)による交叉汚染防止のためには注意が必要である。表3に要約したが、これら特殊な医薬品と一般薬とは、人・物・設備を含め、完全に分離することが望ましい。これは、日本のGMP省令改正の他、米国の薬事コンサルタントや大手製薬企業のオーディット結果などを勘案した場合、特殊な医薬品と一般薬の設備を共用して製造又は製造委託することは、一般薬の品質保証への交叉汚染の観点から極めてリスクが高く法規定に違反すると判断されるからである。さらに、新規委託品、開発品又は海外展開するものについては、海外規制(cGMP,ICH原薬GMPガイドライン,WHO-GMP,EU-GMP,PIC/S-GMP,ICH Q8-11等)を考慮し、ホルモン剤・関連物質の一般薬及びその関連物質との製造設備共用は認めない方針とすることが良い。これは、ICH原薬GMPガイダンスに定められる特殊医薬品と一般薬の設備共用における「検証された不活化工程及び清掃手順又はそのいずれかを確立し保守する」ことを遵守した場合でも、洗浄バリデーションと残留許容基準の設定が難しく、仮に交叉汚染は無いと説明できたとしても国内当局や海外では受け入れられない可能性が高いとの理由からである。

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