医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第2回】

1、    HSEリスクアセスメントの概要
ひとくちにリスクアセスメントと言ってもHSEに限らずGMP、品質管理の分野でもリスクアセスメントは存在しており、その他の分野でも行われているのが現状です。また、行政から必要なリスクアセメントを企業に向けて実施するように通達や条例が出ているため欠くべからざる存在となっています。リスクアセメントの歴史は欧米からスタートした手法であると理解しておりますが、歴史的にはQuality Risk ManagementではICHQ9で明確にされ、日本の厚労省でも平成17年にリスクアセスメントを実施するよう安全衛生法の改定がされました。その後、各業界でもリスクアセスメントを実施せねばという意識が芽生えてきました。しかしながら、その内容は企業によってバラバラで的を得たものは多くはありませんでした。なぜならば、行政の指導はKYTの加工をしたようなガイドラインであったと記憶しております。そこで、どれほどの種類のリスクアセスメントがあり、どのような位置付けで企業が取り組むべきかを少しだけご紹介できればと考えております。

2、    HSE関連リスクアセスメントの目的は何でしょう?
リスクアセスメントの目的はそのカテゴリーごとに目的が異なります。
しかし乍ら、総じて言える目的はリスクを評価し、その評価結果が重大か否かを見極め、優先順位附けすることが目的です。従って、日本の安全活動のように対策を実施することを目的としているのとは違い、リスクアセスメントの結果、優先順位の高いリスクについていつどのような対策を実施してリスク低減を図るのか分析や調査を行ってから有効な対策を実施します。言い換えればAcceptable(許容できる)リスクはそのままに又は対策は後回しにすることになります。ええ?という感じ方をされる方もおられると思います。重大なリスクに関して優先的に検討をすぐに行いリスク低減対策を実施する。リスクが許容レベルに下がるまで生産活動を止めることもいとわないことが重要なリスクアセスメントの目的運用なのです。
筆者の考えでは、この重要なリスクアセメントを実施しないで生産活動を行っている会社工場は成り行きで仕事をしていることになります。地震被害や洪水、事故、感染症発生、原薬や化学物質の曝露、その他により工場事業所から死亡、健康被害が発生してから、さあーどうしよう?という世間にありがちな平凡なレベルの低い会社・工場と言わざるを得ませんね!

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